2020年米大統領選(16):勝負は5州

来年の大統領選(11月3日)まで、まだ1年以上の月日があるが、現職トランプと民主党候補が実際に勝負することになる州というのがすでに決まっている。

下記の地図をご覧いただきたい。

2020map

(地図はクリックすると大きくなります)

赤色(ピンクも含む)の州がほぼ間違いなくトランプ(共和党)が獲得する州であり、青色の州が民主党候補が奪う州である。薄茶色が激戦州で、現段階ではどちらが獲るかわからない。

大統領選は総得票数で争う選挙ではなく、州の奪い合いの選挙である。人口比でそれぞれの州に割り当てられた数字(選挙人)を足していき、安定多数(過半数)の270以上を獲った候補が勝ちとなる。ちなみにカリフォルニア州がもっとも人口が多いので選挙人数は55、モンタナ州やノースダコタ州はそれぞれ3が割り当てられている。

フロリダ州、ペンシルバニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州、アリゾナ州はどちらに転ぶかわからないので、上記の5州でどう勝つかが来年の選挙の真の姿と言って差し支えない。(敬称略)

9月の見通し

9月に入り、世界経済の見通しはいまだに不透明なままだ。株価は乱高下しており、リセッション(不況)に突入する前段階にさしかかったかに見える。

9月2日はアメリカではレーバーデー(労働者の日)という祝日で市場は休みだったが、休み明け3日のニューヨークダウは反落して前週比285ドル安だった(下落率1.01%)。半月前の8月14日には800ドル安(3.05%安)、23日にも623ドル安(2.37%安)という急落があり、3番目の下落ということになる。

その間、株価が持ち直す日もあったが、株価は下り坂を少しずつ、ゆっくりと降りているように見える。経済学者や金融関係者がよく引き合いに出すISM(製造業景況感指数=Institute for Supply Management)が3年ぶりに50を割り込んだというニュースもある。

ISMは製造業企業の担当者に新規受注や雇用、雇用など多岐にわたる項目を調査した結果で、50を下回ると景気が悪いと感じる人が多いということで、もう右肩上がりの時期は過ぎたという印象がある。最大の要因は米中貿易戦争で、トランプと習近平の突っ張り合いの着地点が見えないことにある。

実は1929年の大恐慌が起きたときもレーバーデー明けから始まった。2008年のリーマンショックもレーバーデーの後で、9月15日にリーマン・ブラザーズが破産申請をだした。日経平均も9月12日に大暴落して26年ぶりの安値をつけている。

夏休み明けの9月は希望を抱く人がいる一方で、暗い気持ちになっている人がいるのも事実で、「世界経済の気持ち」を訊くことができたとするならば、きっと「上は向けないなあ」というのが本音だろうと思う。(敬称略)

日韓どころではないトランプ大統領

国際ニュースはこのところ、米中貿易戦争やG7サミット、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)などに紙面が割かれ、2020年大統領選の話題は「まだ先のこと」という状況である。

だが米国では、選挙関連ニュースは連日のように報道がある。日本のメディアに拾われていないだけだ。

ここでは来年11月の再選に向けた現職ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)の選挙活動と、民主党の主要候補たちの選挙活動を客観的に比較し、現時点での優劣を考察したい。

筆者は1992年から大統領選を現地で取材し続けており、来年で8回目になる。選挙取材では候補の生い立ちや資質、また政策や選挙対策本部の組織力、集金力、さらに有権者の動向や社会状況などに注目してきた。

「思秋期」を聴きながら

iwasaki8.26.19

(文化放送:くにまるジャパン極にて)

岩崎宏美といえば「思秋期」である。

スタジオで歌ってくれたわけではないが、私がスタジオに入るまえにこの曲が電波に乗った。10代の頃を思い出さざるをえない。

その歌い手と同じスタジオで話をすることになるなど、40数年前には想像すらできなかった。私と同世代の岩崎は想像していた通りの親しみやすさを携えた人で、笑顔がさわやかで素敵だった。

そんな中、私は日韓の軍事情報協定とトランプのグリーンランドへの興味について話をして帰ってきた。(敬称略)