全力疾走

コンビニを出てすぐ、バタバタバタという足音が聴こえた。

すぐに右手を見る。10代と思える青年がすごいスピードで走り出していた。まさしく全力疾走という言葉にふさわしい走りである。

20メートルほど先にある信号が黄色に灯っていた。

そのまま見ていると、信号はすぐに赤に変わったが、彼は見事に向こう側まで高速で走りきった。しかも全速力を維持したまましばらく走り続けている。危ないという思いはまったくなかった。久しぶりに見た全速疾走にむしろ感動さえ覚えて見とれていた。

横断歩道で走る人はたくさんいるが、ほとんどが小走りである。すぐに自分が最後に全力疾走をしたのはいつだったか、過去の思いをたぐり寄せた。

10年以上前、まだワシントンにいる時に5キロ、10キロのマラソンレースによく参加していた。その時、フィニッシュラインの直前で全速力で走っていた、との思いがある。少なくともこれ以上速く走れないスピードで足を動かしていた。

いまはスポーツジムでベルトの上を走っているが、蚊に刺されるようなスピードである。ベルトの上で全速力を出すのは違和感があるので、今度、外で久しぶりに全力疾走してみようかどうか考えている。

壊れる?

 

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Photo by Youtube

四面楚歌のトランプ、弾劾に向かうか

過去1週間でドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)が立て続けに提訴されている。

大統領を有罪にすることは可能なのか。今後の見通しと、5月15日に当欄で論じた弾劾の可能性(「トランプ大統領が弾劾される可能性は50%」)についても改めて述べていきたい。

まず提訴について記したい。

1つ目は米首都ワシントンとメリーランド州の両司法長官が12日に起こしたものだ。

トランプは昨年9月、ホワイトハウス近くに「トランプ・インターナショナル・ホテル」を開業。もともとはオールドポスト・オフィスという商業施設で、トランプがホテルに改装した建物である。1泊5万円超の高級ホテルだ(四面楚歌のトランプ、弾劾は時間の問題か)。

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Photo courtesy of E-spaces

まだまだ続きます

放送メディアへの出演のお知らせです。

昨年の大統領選でたくさんの出演依頼をいただきました。選挙が終わってしばらくしたら落ち着くだろうと思っていましたが、トランプが大統領になったことで出演ペースは昨年よりも上がっています。

瞬時にして伝わる放送メディアの面白さと影響力は計り知れませんが、じっくりと腰を落ち着けて熟考してこそ生産できる活字メディアも大事にしていきたいと思っています。

 

・6月14日(水)7:00amから 東京FM(周波数80.0MHz)『クロノス

・6月14日(水)10:25amから(出演は11時過ぎから) テレビ朝日『ワイド!スクランブル

コミー前長官の爆弾発言

5月9日、トランプはFBI長官ジェームズ・コミーを突然解任した。そのコミーが8日、連邦議会上院の情報特別委員会の公聴会に現れて、「なぜ私が解任されたかわからない」と1カ月たった今でも、本当の理由はトランプから聞かされていないと述べた。

CNNの生中継でコミーの表情や話ぶりを見る限り、誠実に受け答えしているように見えた。真実を語る姿勢がうかがえる。

9日午後のテレビ番組で、コミー証言について話をすることになっていたので、メモを取りながら観た。

はっきりしたのは、コミーはトランプに「全面戦争」と言っていいだけの戦いを挑んだことである。

戦いを挑んだ以上、大統領をかばうような嘘をつく必要はない。真実をつきつけることが、FBI長官だったコミーの使命でもあった。

解任前、コミーは元大統領補佐官マイケルフリンと駐米ロシア大使との関係を捜査していた。トランプは自分の部下が捜査されるのを嫌い、コミーを解任。それが司法妨害にあたるかが注目点の1つになっている。

ただ公聴会では、それ以上に注目すべき爆弾発言があった。ロシア政府が昨年の大統領選挙に大々的に介入していたというのだ。

これまでは「疑惑」のレベルでとどまっていた。しかしコミーは言い切った。サイバー攻撃は「少なくとも数百回におよんでいた」と断言したのだ。

「ロシア政府が2016年の大統領選に介入したという点は疑いようがありません。目的をもって介入していました。洗練された方法を使っていたのです」

これは5月23日にCIA前長官のジョン・ブレナンがやはり議会公聴会で「ロシア政府による選挙介入があった」という証言内容と合致する。

諜報機関のトップだった2人による発言である。しかもメディアが報道した内容ではなく、嘘を言えば偽証罪に問われる公聴会の証言だ。

これからFBIとCIAという米諜報機関とトランプによる全面戦争がはじまることになる。また忙しくなりそうである。(敬称略)

名古屋で出逢った人

「今日、又吉さん来ますよ」

8日午後、名古屋のCBCテレビのスタッフが教えてくれた。TBS系列で放映されている『ゴゴスマ』の本番直前のことだ。

私は番組内でトランプ政権のロシアゲートについて話をしたが、自分の出番が終わればすぐにスタジオを出なくてはいけない。

会えなかったか・・・と思って席を立つと、スタジオの出入り口からやや前かがみで歩く、見慣れた髪型の男性が現れた。

「お疲れさまです!」

そう言いあって、すれ違った。普通であればそれで終わりである。だが、私は明日も出番があるので、スタジオを出たところにあるソファでディレクターを待っていた。

ディレクターが姿を現わす前に、ロン毛の彼が出番が終わってソファのところにやってきた。

ミーハーの素養が大いにある私の行動は、もちろんパシャである。

matayoshi6.8.17