藤井名人の意外な一面

今日(8月28日)の朝日新聞(朝刊)の文化面に将棋の藤井聡太名人のインタビュー記事がでており、面白く読んだ。

まずハッとさせられることを言うのだ。「こちらを選んだ方が、、、ということはなかった。後悔ということはない気がします」。まだ23歳の若さだが、数多くの対局を経験してきて「後悔はない」と言い切る。こんな人がいるだろうか。普通に考えれば、「あそこはこうすればよかった。あの時はこうした方がよかった」という思いが数多くでてきそうだけれども、自分が判断したことはもう後悔しないという。

また記者が、「無人島にもっていくとしたら何を?」と訊くと、現実的な受け答えをする。

「まず生存することが第一目標になりますので、行動力のある人を道連れにしたいと思います」。そして「将棋盤と駒はその人に作ってもらえそうな気がするので、持っていかなくとも」と回答。

そして最後に「なるほど」と思えることを述べる。

「将棋を面白いと思えることがずっと原動力でしたので、今後もそうありたいと思います。漠然と『棋士になれたらいいな』という気持ちでいたので、名人になれたらという思いはほとんどなかったです」

無欲の勝利・・・。結果がともない、「素晴らしい」の一語に尽きる。

この暑さはいつまで・・・

外を歩いていて、「もういい加減にしてくれ」と空に向かって呟いていた。お盆を過ぎたので残暑というべきなのだろうが、今日の東京は35度もあって「残った暑さ(残暑)」などではなく、いまだに「夏まっただ中」という印象である。暦の上では立秋(8月7日)も過ぎているので、秋風を期待したいところだが、頬に優しい風を受けるのは当分さきになりそうである。

地球が温暖化してきているのは、化石燃料 (石炭、石油、天然ガス)の燃焼によって 二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O) などの温室効果ガスが増えたことが主な原因といわれているが、それだけではないことを知らなくてはいけない。

実は以前にも当ブログで記したのだが、アラスカ州の最北端に位置する ウトキアグヴィク (旧名バロー)を訪れた時、現地のイヌイットの人たちと話をしている時に聞かされた。

「いまから1万5000年ほど前に氷河期が終わっている。いまは間氷期だから、気温が上がるのは当たりまえ」。そしてこう訊いてきた。「イヌイットの暦って知ってるかい。1サイクルは365日じゃないんだ。氷河期のサイクルなんだよ」

気温の上昇を間氷期のせいであるとした点に超時代的な価値観をみた。環境問題の専門家は次の氷河期が訪れるのは3万年から5万年先としている人が多く、文字通り天文学的な数字であるが、イヌイットたちはそれを体感しているところが新鮮だった。

いずれまた「氷の世界」がやってくるのだろうが、今夏の暑さは「なんとかしてくれ」のレベルである。

『ジュラシック・ワールド :復活の大地』

やはりスピルバーグにはこうべを垂れるしかない。

最新作『ジュラシック・ワールド :復活の大地』を観てきた。直後の感想は、「この手のアクション映画でスピルバーグにかなう人はいない」というものだった。実際にメガホンを握ったのはイギリス人監督のギャレス・エドワーズだったが、エグゼクティブ・プロデューサーだったスピルバーグの息がかかった作品で、見終わった直後は無口にさせられるほどの強いインパクトがあった。

134分の映画は、最初から最後までほとんど息つく暇もないほどスリリングなアクションの連続で、「燃焼しきって疲れた」というのが正直な感想。これまでジュラシック・ワールドのシリーズはずっと観てきているが、いつも「これまでで最高」という思いが去来し、今回もその言葉が突いてでた。それほど毎回、心を揺さぶられているということである。

今回は特に、数多くの恐竜たちがあまりにもリアルに映し出されているので、特撮であることはわかっていても、実際にどこかにいると思えたほどだ。それほど恐竜たちの姿に心を打たれもした。私は一応メディアの仕事をしているが、映画に関しては本当に観客の一人でしかないので、素直に楽しんで帰路についた。

Jurassic World Rebirth' erodes original premise | News, Sports, Jobs - The  Sentinel

心に残るヒトコト(2)

私は時々、自分が以前に書いた文章を読みかえす。「よくこんなことを恥ずかしげもなく書けたものだな」と思うこともあれば、「私にしてはなかなかいいことを言っている」という時もある。一応、プロの文章家として金銭をいただいてモノを書くようになってから35年が経つ。それなりに生活をしてきているので、「それなりのもの」を書いてきたと思っている。

先日、当ブログに書いた文章を読み返していると、「心に残るヒトコト」というタイトルの文章に出会った。ちょうど10年前の8月に書いたもので、私がインタビューした英国の写真家のコメントに感銘を受けて書いたものだった。今でも彼に話を聞いたあの日のことは昨日のことように思い出すことができる。

というのも、あの時の彼の言葉は今でも私の心の奥底にしっかりと張りついて残っているからだ。それは「写真家の生への姿勢」とでも呼べる言葉で、次のように述べたのである。

私が「これまでのベストショットと呼べる1枚はありますか」 と訊いた時だった。彼は次のように即答したのだ。

「まだベストショットは撮れていない(I haven’t taken my best shot yet)」

もちろん自分で「この1枚は凄い」と思えるショットもあったはずである。それまで数え切れないほど撮ってきたはずだが、彼はそれまで撮ってきた写真には満足せず、これからベストショットを撮るという心持ちでいたのだ。これこそがプロだなと思ったし、私もそういう心持ちで次の文章を書いていかなくてはいけないと思ったものである、、、さあ、イクゾー!

黒柳徹子の魅力

今朝(28日)の朝日新聞文化面に黒柳徹子氏(91)のインタビュー記事が出ている。そこで述べられた徹子さんの言葉にハッとさせられたと同時に、彼女の衰えぬ魅力を再認識させられた。

インタビューは新刊「トットあした」(新潮社)について訊いているのだが、「徹子の部屋」が来年2月で放送開始50年になることもあり、テレビ草創期から放送業界に身をおいてきた徹子さんの思いが語られている。

「私は結局ね、人間てなんてすてきっていうところをお見せしようと思ってきました」

この一文に黒柳徹子という人の人生哲学が凝縮されているような気がしてなならい。さらにこうも言う。

「この人は嫌な人なんですよなんて見せても、世の中暗くなるばっかり」

何十年もの間、テレビで活躍し続け、さらに負の印象を社会に与えてこなかった理由がここにある。人の悪い側面や影の部分にはあえて触れず、プラスの側面だけに目をむけるようにしてきたという姿勢は立派である。そして最後にこう述べる。

「100歳を過ぎてもテレビでインタビューしているっていうのは、見ている方に私もがんばろうって思ってもらえるかも。だからもうちょっとやってみようかな」