今すべきこと

まず東日本大震災で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。亡くなられた方のご冥福をお祈りすると共に、救助を待たれている方が一刻も早く救出されることを願ってやみません。

                           

現場に足を踏み入れていないので、津波の惨劇は映像で観る範囲内でしか感知しえないが、数日たって確実にいえることはメディアが惨劇を伝えれば伝えるほど、被災者を救うことができない虚しさが増長するということだ。少なくとも私はそう感じる。

日本の近代史において、最悪の惨事だろう。自然災害では本来、「自助、共助、公助」という順で、まず自身や家族の安全は自らが守り、次に近隣住民や仲間が互いを助け、最後に地方自治体や中央政府が助けるという姿勢が望ましい。

だがこの地震ではその言葉も虚しく聞こえる。なにしろ市役所や町役場が根こそぎ津波にもっていかれ、村長も行方不明という話を聞くにおよぶと、あとは中央政府が危機管理体制を最大限に発揮するしかないからだ。

いま何よりもしなくてはいけないことは、被災者を助けることである。それに尽きる。行方不明者の捜索も重要だが、中央政府はすぐにでも超法規的な行政力を行使して、被災者の救済に力をつくさなくてはいけない。

そして被災者以外の日本人が協力しあうということだ。ボランティア活動、寄付金、物品の無償提供等、すべての国民が寄与するくらいの心意気が必要だろう。

本当にすべての被災者に適切な手がさしのべられることを祈るばかりである。

                        

  • 日本赤十字社寄付・東北関東大震災義援金
  • 赤い羽根共同募金 
  • 財団法人 日本動物愛護協会
  • インターネット募金「緊急災害募金」 – Yahoo!ボランティア
  • 民主党:民主党 東北地方太平洋沖地震災害募金の受付を開始
  • @nifty Web募金
  • 東北地方太平洋沖地震義援金 – はてな義援金窓口
  • 東北地方太平洋沖地震被害に対する支援について – goo 募金
  • 値段にホッ!

    時々、拙著が気になってアマゾンをのぞく。

                        

    売り上げの順位は相変わらず低いし、中古本として1円で売られているものもある(『大統領はカネで買えるか?』)。トホホである。

                        

    ところが絶版になって、一般書店や古本屋にほとんど並ばない本もある。こうした本はネット上では高値がつくことがある。

                                 

    その中の1冊が1999年にだしたエイズ薬の研究者の半生を描いた『MITSUYA 日本人医師 満屋裕明-エイズ治療薬を発見した男』である。すでに絶版。出版社に在庫はない。古本屋にもほとんど出回らず、ネット上でも稀にしか出ない。

                            

    3月7日午後、なんと100万円の値段がつけられていた。 もちろん私のところに売り上げの一部が入るわけではない。著者がいうのもなんだが、買うな!という値段であり、挑戦的ですらある。

                                   

    すでに私の手元から離れているのでどうしようもないが、1円もあり100万円もありで、複雑な心境である。 

                                       

        

          MITSUYA 日本人医師満屋裕明―エイズ治療薬を発見した男 

    ¥ 1,000,000

    + ¥ 250(配送料)

    中古品 – 良い

    北朝鮮のクーデター

    脱北者の一人である金光鎮が3日、東京で記者会見を開いた。北朝鮮の元政府高官として、内部事情を知る人物である。いまだに顔写真は撮らせない。

    「金正日が死んだ時、軍事クーデターが起こる可能性があります」

      

                       

    昨年9月、金正日の三男、金正恩が実質的な後継者に選ばれたが、28歳の三男が朝鮮人民軍と労働党を全面的に掌握できるまでにはなおも長い年月が必要になる。軍の上層部が若い三男の言うことを聞くとは思えないというのが、金光鎮の見立てである。

    「金正日でさえ両方を完全に掌握するまでに、ほぼ20年の歳月がかかっています」

    専門家の間では北朝鮮が内部崩壊した時のシナリオがいくつも描かれている。もっともあり得る時期は、金正日が死亡した時だ。彼が長命であれば、三男への移行はよりスムーズかもしれないが、「近い将来」となると、三男では北朝鮮はまとまらない。

    実は金正恩がお披露目された昨年9月、党の規約27条が改正されている。国防委員会の力が大幅に弱まり、労働党中央軍事委員会が北朝鮮の最高機関になった。その時、三男は軍事委員会の副委員長に就いた。

    これは金正日が死亡したとき、三男が委員長としてトップに立つことを意味する。しかし、名目上のリーダーと実質的な権力の掌握とは別である。

    金光鎮によれば、「三男は故意に風貌を祖父、金日成に似せることで威厳を出そうとしている」らしいが、真の政治力が28歳の若者にあるわけがない。

    「今後は北朝鮮からの挑発行為がより頻繁に起こるはずです。そのサイクルは今後、ますます短くなるでしょう」

    近隣諸国で唯一、北朝鮮に影響力のある中国も経済協力こそ行っているが、政治的な助言はほとんど効力を持たない。金正日は聴く耳をもたないのだ。

    世界の動きから自らを隔離している北朝鮮。同時に、自らを追い詰めているようにしか思えない金体制はいつまで持続するのだろうか。(敬称略)

    ある書店の倒産(2)

    先日のブログで記したように、全米第2位の規模を誇る書店ボーダーズが倒産した(ある書店の倒産 :詳細版)。

                                          

       

                                            

    今ある600店以上の店舗すべてが閉鎖されるわけではないが、200店ほどが閉じられ、再生に向けて新たなスタートが切られる。もちろん平坦な道のりではないし、実質上の倒産である。

    インターネットの時代に入り、町の書店が苦戦していることは子供でもわかる。少なくとも過去10年、経営陣はネット時代にどう利益を上げていくかを策定すべきだったが、実践できなかった。むしろボーダーズは逆の流れに進み、書店数を増やして国外での店舗展開を行った。経営判断ミスだった。

    ボーダーズが潰れたことで、ネット書店のアマゾンと業界最大手のバーンズ&ノブルの両横綱に書店業界が席巻される図式ができた。

    ボーダーズの債権者はペンギン・パットナムをはじめ、サイモン&シュースター、ランダム・ハウスといった大手が含まれる。それぞれがボーダーズに対して30億円前後の貸しがあり、アマゾンとバーンズ&ノブル以外、これからガタガタと音をたてて崩れていく憂慮さえある。

    フォレスター・リサーチが昨年発表した報告書は、2025年までに新刊本の4分の1は電子書籍になると記している。たぶん電子書籍の流れはもっと早い。

    昨年のクリスマスに電子リーダーをプレゼントされたアメリカの子供たちの中には、もうゲームはやらず、テレビも観ず、ひたすら電子リーダーで本を読むようになった小学生がいるという。

    歴史を振り返ると、時代が代わる移行期というのは「つらい時期」ではあるが「楽しい時期」でもある。抵抗するだけ無駄ということである。

    オートパイロット

    ピープルズパワー!

    エジプト人には本当に「おめでとう」という言葉を捧げたい。エジプトから見えるアフリカの現実 で述べたように、ムバラクは辞任し、独裁政権は幕をおろした。だが彼らが本当に熟考し、行動に出なくてはいけないのはこれからである。

    いまは軍部が権力を掌握している。市民から一応敬意を払われている軍が、ムバラクの擁護にも打倒にも積極的に加担しなかったことで無血革命が達成できた。ただ反ムバラク派の代表的リーダーの顔が見えない。IAEA(国際原子力機関)の前事務局長のエルバラダイは国をリードすることに興味を示さない。

    チュニジアに始まるアフリカの革命の特徴はアメリカのCIA(中央情報局)が大きく関与していないことだ。「していない」と表現するより「できなかった」と記すべきだろう。アメリカの世界に及ぼす影響力が年々、小さくなっていく様子が手にとるようにわかる。

    1979年のイラン革命時、CIAはテヘランへ使者を送ってホメイニを亡命先のパリからイランに帰国させた。CIAは途上国のトップの首をすげ替えることもできた。イラン革命は彼らが絵に描いた通りの革命であった。これは後にイラン外務省の政府高官を父に持つ男から直接聞いた話である。

    しかし「エジプト革命」はCIAも指導者もいない市民革命として今後歴史に残る。フェイスブックがきっかけにはなっただろうが、実際に動いたのはエジプト人たちである。アメリカ政府は民主主義を根付かせようとイラクやアフガニスタンで何兆円ものカネを割いているが、国民の心を動かすことにはなっていない。

    この点で日本はどうだろう。すでに民主主義は広く認知され、どこに行くにも行動の制約はないし、言論の自由は保証されている。だが、普通の会社員が積極的に政治活動に参加したりはしない。法律で認められた権利であっても、公に出ていく人は稀である。

    それは政治体制とは別次元の社会規範があるからである。個々人の中で自己制御が強く働いている。個人だけではない。グループや団体、会社という組織に属していれば、そこでの規律もある。言い換えれば、それが日本を律する国にしている。

    この国は官僚から一般市民にいたるまでオートパイロットが働いているのである。少しでも軌道から外れる行動や考えは、ほぼ修正されてしまう。それは潜在下で行われるので、大企業の社員が反政府デモを首謀しようなどと思わない。

    テレビカメラに映り、新聞に顔写真が出るような行為は慎まれる。それが法的に認められた行動であってもだ。行動に出ると会社の上司は言うかもしれない。

    「あれはちょっとまずいんじゃないの」

    「自由な政治活動は憲法で保証されていますから、いちゃもんをつける方がおかしいです。会社員であっても、自分の信じることはやります。会社には迷惑はかけません」と言い返しても、波風を立てたということで周囲に釈然としないものを残す。そこまで冒険をする人はいなくなる。

    独裁者によるクーデターでも起きて言論統制が布かれれば反政府運動が起きるだろうが、普天間問題や債務超過、社会保障問題が解決できないくらいではデモさえも起きない。

    これを平和というのかどうかは疑問である。(敬称略)