今晩、東京都中央区京橋のギャラリーに足を運んだ。画家、高橋常政氏の個展のオープニングパーティーがあったからで、私は彼が描く絵が大好きだ。
特に動物たちはみな愛嬌があり、観る側に暖かさを運んでくれる。人柄が作品に表われるのは絵も小説も同じだ。
真ん中の絵は白いサイで、水彩、アクリル、墨、金箔が使われている。
「買い手はついているんですか」と訊くと、「まだです」とヒトコト。
顔を近づけて値段をみると、43万2000円とあった。
東京上野の東京都美術館(とびかん)で「クリムト展」を観た。グスタフ・クリムトは19世紀後半から20世紀前半に生きたオーストリアの画家である。
学芸員であれば、クリムトの画風を「妖艶で、甘美で、エロスに満ちた」と表現するかもしれないが、私には正直よくわからない。
繊細にして艶美なタッチは誰しもが認めるところだが、女性を感じるままに描ききったところにクリムトの全てがあるように感じられ、月並みな言い回しは陳腐でさえあるように思えた。
それは一度も結婚しなかったにもかかわらず14人の子どもをつくったクリムトの、性へ愛執そのものが作品に表れているようにみえたからで、彼の人間性そのものが出ていた。
だが美術館をでたあと、なんとなく不穏な気持ちになったのはどうしてだったのだろうか。