トランプ圧勝は確実、しかし本選はヒラリーの理由

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Photo courtesy of Motherjones

いまだに米大統領候補ドナルド・トランプの化けの皮が剥がれない。それどころか皮の厚さが増して、本物の皮膚に変化しつつあるほどだ。

国内外でトランプが大統領になった場合の憂慮が真剣に語られ始めている。本当にトランプは大統領になるチャンスがあるのだろうか。

筆者は昨年末から、活字・放送メディアを通して共和党ではトランプが代表候補になると述べてきた。大統領ではなく、あくまで共和党代表という立場である(トランプ圧勝は確実、しかし本選はヒラリーの理由)。

『クーリエジャポン』の最新記事(3月11日)

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Photo courtesy of Brandchannel

「メディアはいつも記事に飢えていて、センセーショナルな記事ほど受けがいい。過激なことや物議をかもす言動を取ると、マスコミは取り上げてくれる」

米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプが30年以上前に語った言葉である。

昨年夏まで、いわゆる泡沫候補の一人として捉えられていたトランプ。数多くの暴言を耳にする限り、背後に巧みな計算があるとはなかなか思えない。むしろ発言は直感的で、感情的と思えるほどだ(8ヵ月前に大胆予測! 米国の新大統領になるのはこの候補だ)。

(『クーリエジャポン』が3月より紙メディアから全面的にウェブメディアに移行しました。大統領選の記事を書きました)

大統領選とカネ:最も集金力のある候補は誰?

米大統領の職はカネで買えるーー

米政界で昔から語られているフレーズである。もちろん数百億円を出せば大統領の職を手に入れられるほど簡単なわけではない。ただ、多額の選挙資金なくして大統領選を戦い抜くことはできないことも確かである(大統領選とカネ:最も集金力のある候補は誰?)。

 

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(写真中央に小さく見えるのがホワイトハウス)

スーパーチューズデー、トランプ圧勝の3大要因

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(トランプの長女イヴァンカ夫妻と本人)

米大統領選の予備選の山場であるスーパーチューズデー(3月1日)を迎え、不動産王ドナルド・トランプ氏(以下トランプ)の躍進が止まらない。

筆者は大統領選を「ライフワーク」と称しているので、ここで改めてトランプの強さの理由とスーパーチューズデーの結果を予想してみたい(スーパーチューズデー、トランプ圧勝の3大要因)。

トランプ、代表候補にまっしぐら

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(アイオワ州のトランプ選挙事務所の入口)

大統領選の共和党候補ドナルド・トランプはもうすでに代表候補になったかのような気分だろう。

ニューハンプシャー州で大勝し、サウスカロライナ州とネバダ州でも連勝。3月1日に行われるスーパーチューズデー(13州と米領サモアでの予備選)では、「下手をすると」1州を除いて、すべての州でトランプが勝利をおさめる。

今朝、出演したテレビ朝日「ワイド・スクランブル」でもその点を指摘した。日本人の多くやアメリカ有権者の半数近くがトランプを危険人物とみなしているが、その声はトランプ支持者には聞き入れられない。

当欄はブログなので私見を述べると、トランプは大統領としてもっとも不適切な人物だと思っている。いまさら言わなくとも、ほとんどの人が認識していることだろうが、それでもトランプを支持する人は減らない。

私はトランプに反旗を翻す一方で、彼を推す人たちの考え方や心情もよくわかる。アメリカのことだけは肌感覚でさまざまなことを会得しているつもりだ。

だから既存の政治家や現政権に対する不満、かならず言ったことを実行してくれるだろうとの期待がトランプに集まる現状が手に取るようにわかる。

支持者たちは、トランプが利益団体と関わりがないことや、ビジネスで培った交渉力、ばく大な資産を築いた経験を政治家として生かせるはずだとの思いを膨らませている。

民主党ではたぶんヒラリー・クリントンが代表になるだろうから、ヒラリー対トランプという対決の構図が予想以上に早く表れるかもしれない。