高市早苗という人物

1980年代後半、私は米首都ワシントンで高市早苗(敬称略)に会っている。彼女が米民主党下院パトリシア・シュローダー議員の事務所で勤務していた時のことだ。

月に1回、ワシントンの商工会議所が昼食会を開いていて、そこで同じテーブルに座ったのだ。 私がまだジャーナリストになる前のことである。高市は 自分から積極的に声をかけてくるタイプで、 すぐに打ち解けた。 連邦議員の事務所でインターンのような仕事をする日本人は多くなかったので、「やり手の女性だな」との印象をいだいた。

名刺交換をしていたので後日、高市の方から「一緒に食事に行かないか」との誘いがあった。一度だけ一緒にゴハンを食べたと記憶している。その時、すでに政治家になりたいという思いを抱いていて、「将来が楽しみな人だな」と思った記憶がある。

当時の記憶を呼び覚ますと、誰にも負けないほどの秀逸な知能をもっているようには思えなかったが、物おじしない性格から「政界で活躍する人にはなるかもしれない」との感懐を抱いた。しかし、首相にまで上りつめるとはまったく思わなかった。

これからは総理として日本を引っ張っていかなくてはいけない。積極果敢に攻めていってほしいと思う。