今回は本当であってほしいーー。
これまで何度となく裏切られてきているので、今回の中東和平合意が本当に結実するかどうかは正直わからない。ただ、トランプ大統領(以下トランプ)をはじめ、エジプトやカタールなど20カ国以上の関係国が13日、エジプト東部シャルムエルシェイク に集まり、ガザ停戦文書に署名したことは大きな進歩といえる。
「この段階にくるまでに3000年もかかったんだ。信じられるか?しかも今回は長続きするだろう」
「われわれは皆が不可能だと言っていたことをやり遂げたのだ。ついに中東に平和が訪れた。これからは再建の始まりだ」
トランプの言葉を引用しなくとも、イスラエルとアラブ諸国が和平へと動きだしたことは大きな転換点といっていい。エジプトの アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は「苦痛に満ちた一章に終止符を打つ歴史的節目」と称し、トランプに同国で最高の栄誉とされる純金製の「ナイル勲章」を授与した。
これでトランプが自己肯定感をさらに強めてこれまで以上に驕慢になることは目にみえているが、実際にトランプでなければ今回の和平は達成できていなかったかもしれない。イスラエルのネタニヤフ首相はトランプのことを、「これまでの米大統領のなかで、イスラエルにとっては最も偉大な友人」とまで言って持ち上げた。
ただ、イスラエルとハマスは停戦を履行する必要があり、ハマスは武装解除をしなくてはいけない。うまくいけばガザ政府が設立されるという流れになるはずである。またイスラエルは撤退範囲を決める必要がある。
もう二度と中東で戦争をしないという前提のもと、当事者には厳粛に対応していただきたい。