比較第一党という詭弁

なんとも見苦しい会見だった。

参議院選挙で自民党が負けることは事前に予想されていたが、与党過半数という目標も達成できなかった。石破首相は「比較第一党」という言葉をつかって自民党が権力を握り続けるべきであるとして21日、続投を表明した。

良識ある政治家であれば、ここは辞任するところだが、石破氏はトップにしがみついたまま首相という座から降りない。「政治空白をつくってはいけない」という理由を述べたが、次の首相はすぐに見つかるはずである。一度手にいれた政界の頂点への執着が強すぎて、逆に国民はしらけてしまう。個人的には石破氏ほど人間的な魅力に欠けた首相は近年いないとの印象で、このあたりで退場頂きたいと思っている。

報道によると、参院選投票日前夜、都内のホテルに村上総務大臣、岩谷外務大臣、中谷防衛大臣、青木官房副長官が集まり、与党過半数割れという事態になっても石破氏を支えつづけるという方針で一致し、「頑張りましょう」と首相に伝えたという。それを受けたことで、石破氏は選挙に負けても「辞めます」とはいわずに続投を表明したようだ。

これはある意味で、有権者と国家のトップとの間に明らかな意識のズレがあるということで、国民の声に耳を傾けられず、真摯に対応できない首相は去るべきなのではないだろうか。