息子の罪で母親も有罪判決

犯罪の多発する米国でも今回のケースは史上初だという。何しろ15歳の息子が犯した銃撃事件で、母親に有罪判決がくだされたのだ。

事件が起きたのは2021年11月。米ミシガン州の高校でイーサン・グランブリー被告(当時15歳)は生徒4人を殺害し、さらに生徒6人と教師1人を負傷させた。すでに同被告は第一級殺人やテロ行為などの罪で仮釈放なしの終身刑が言い渡されているが、同州陪審は2月7日、母親であるジェニファー・クランブリー氏にも過失致死罪で有罪判決をくだしたのだ。

いくら息子が未成年であるとはいえ、自分が犯した犯罪ではない。すでに高校生であり、犯行の責任は息子にあると考えられるが、同事件を担当した陪審員たちは母親を起訴するかどうかを11時間も審議し、最終的に母親の責任は大きいとの結論に達した。実際の判決が下されるのは4月9日で、母親の量刑は最長で禁錮15年になるという。

少し調べると、両親は15歳の息子に銃を購入していただけでなく、精神的に不安定な状態であった息子に何の対処もしなかったことがわかっている。さらに学校側はそうした息子にメンタルヘルスの医療的措置をとるべきであると提言し、施設を紹介しもしたが、両親は動かなかった。さらにそうした状況の中、母親は他の男性と不倫関係にあったことがわかっていて、息子のケアが疎かになっていたことがわかっている。

久しぶりに「アメリカらしい」事件で唖然とさせられている。