世界人口80億人に

以前から報道があったように、世界の総人口が来週80億の大台に乗る。いつもと変わらない日常生活を送っているかぎり、地球規模で人口が増え続けている現実はなかなか実感できない。だが、80億という数字はとてつもなく大きいし、国連が予測するかぎり、この数字はさらに伸び続けていくという。

1950年には25億という数字だったが、過去72年で3倍以上に増えたとことになる。いったいどこまで増えるのか。国連は2030年には85億人に、2050年には97億人にまで増えるとみている。ただ、この人口増加は出生率が上昇していることが理由ではない。出生率はむしろ下がっているのだ。

2021年、世界の女性が生涯に産む子どもの数は平均2.3人にまで落ちてきている。1950年は5人だったので、半分以下になった。人口が増え続ける最大要因は「死ななくなった」ことなのである。「死ななくなった」というのは、平均寿命が延びたということである。世界の平均寿命は2019年時点で72.8歳。1990年と比較すると9歳も伸びている。

さらに国連が発表した資料を眺めて驚かされるのは、長年人口で世界のトップを走っていた中国が、早ければ2023年にインドに抜かれるということだ。中国の人口はこれからゆるやかに減少していくという。インドは逆に2050年には17億人になると予測されている。

数によって地球が狂わされるという恐怖があるが、米シンクタンク、ウィルソンセンターの研究者ジェニファー・スキューバ氏はこう述べる。

「人間が地球に与える影響というのは、数よりも行動によっての方がはるかに大きい」

つまり限りある地球という惑星で、好き勝手に消費し続けるのではなく、自重し、途上国に転嫁していくということなのだろうと思う。食べるものがなくなり、多くの人が飢餓状態になるのを見たくはない。