無気力、無関心、無責任

昨晩、NHKの「アナザーストーリーズ」を観ていると、懐かしい言葉が出てきた。三無主義である。

この言葉を耳にしてすぐにピンとくる方は、私と同世代かそれ以上の方なのだろうと思う。1960年代に活発化した学生運動が下火になり、若者は多くのことに無気力になり、さらには無関心、無責任も加わって三無主義に陥った。そこに無感動が加わって四無主義という言い方もされた。

最近、20歳前後の若者と話をすることがほとんどないので、今の若者の心のありようは熟知しないが、いつの時代にも三無主義や四無主義に陥っている人たちはいるのだろうと思う。それは若者だけではない。精神的な高揚がなく、惰性で生きているような人たちは三無主義に包まれる傾向がある。短期的なものであればいいが、しばらく泥沼に足を取られて抜けられないような精神状態であれば、意識的に泥沼から自身を浮揚させなくてはいけない。

いま私が心中で望むのは、60年代の反体制運動のような、社会を揺り動かす潮流がまた生まれないかということだ。三無主義などとは言っていられないくらいの激動を本当は期待していたりするし、また目の当たりにしたいと思っている。