ウサネコ

2018.5.20

「無理やりウサギのかぶりものを被せられたーー」

ペットにも「親バカ」という言葉が使えるかもしれません。16歳のじいさんなので、アゴの毛がもう茶色です。

ロシア疑惑(9)

日本時間17日午前、米メディアはロシア疑惑で一つの結論がでたと報じた。

2016年大統領選で、トランプ陣営とロシア政府との間に共謀があったかどうかを捜査していた特別検察官ロバート・ムラーが、「トランプを起訴しない」ことをホワイトハウスの弁護士チームに知らせたのだ。

ムラーの究極の目的はもちろん不正を暴くことだが、最終目標としてトランプの起訴があった。だが司法省のガイドラインに従い、現職大統領を起訴することは適切でないと判断したという。

「エッ、いまさらですか」というのが私の率直な反応である。

90年代後半、現職大統領のビル・クリントンが起訴された過去があるからだ。クリントンはポーラ・ジョーンズという女性からセクハラ訴訟を起こされた。

裁判所は一審で、現職大統領であるため起訴は不適切と判断したが、ジョーンズは控訴。巡回裁判所は訴訟を受理してセクハラ訴訟は前進した。最後は示談が成立してクリントンはジョーンズに85万ドル(約9300万円)を支払って幕となる。

けっして現職大統領を起訴できないわけではないのだ。ムラーが起訴を見送った背景には、トランプがロシア政府と共謀していないことがわかったからに他ならない。

ムラーが特別検察官に任命されてちょうど1年。これまで140万ページにおよぶ資料を集め、28人に事情聴取を行ったが「トランプが首謀者」という仮説は崩れたことになる。

昨年トランプの周辺から4人が逮捕されたが、それ以上は前へ進まなかった。捜査はこれからも継続されて、最後報告書がだされる予定だ。トランプの起訴がなくなったことでロシア疑惑はほぼ終わりを迎えつつある。(敬称略)

巨額の赤字を続ける米郵政公社が民営化できないわけ

エッ、まだ民営化されていない――。

そんな声が聞こえてきそうなのが、米郵政公社(USPS:以下「米郵便局」)である。

米国だからこそ、民間でできることは民営化するという動きがあるかに思えるが、米郵便局だけは今でも連邦政府によって運営されている。

しかも赤字が膨らんでいる。過去10年の累積損失は650億ドル(約7兆円)である。過去、債務不履行に陥ったこともある組織だが、いまだに民営化の道筋を辿れていない。

日本が郵政民営化を行って日本郵政グループを発足させたのは2007年のことである。諸外国をみても、1995年のドイツをはじめ、オランダ、ベルギー、オーストリア、英国なども郵便事業を民営化させてきた。

なぜ米国だけ民営化できないのか(続きは・・・巨額の赤字を続ける米郵政公社が民営化できないわけ)。

usps

Media appearance

明日の放送メディア出演予定:

 

・5月14日(月)10:25amから テレビ朝日『ワイド!スクランブル

 

トランプさんが前回の大統領選に登場して以来、「スクランブル」に出演させてもらっていますが、いまでも内容の9割はトランプものです。明日もトランプさん。米朝首脳会談を前にかなり浮かれた感がありますが、私は金正恩氏の非核化への本気度は20%くらいだと思っています。

さらに遠のく拉致問題

北朝鮮に拘束されていた3人のアメリカ人が解放された。これはトランプ政権の外交手腕がいかされたことに他ならない。

それでは日本の拉致被害者はなぜ返ってこないのか。

安倍はトランプに拉致問題についても「お願い」したようだが、3人が解放されても日本人拉致被害者は帰ってくるどころか情報さえ出てきていない。

トランプだけでなく、アメリカの歴代大統領は人権問題には敏感なので、本気で拉致問題を議題にしたと思えるが、この問題はやはり当事国の日本政府、安倍が全面にでて解決しなくてはいけない。

今年4月11日、首相官邸ホームページに「米朝首脳会談の際に拉致問題が前進するよう、私が司令塔となって、全力で取り組んでまいります」発言が載った。だが安倍がほとんど何もしていないことは5月11日のフジテレビの生出演で明らかだった。

フジ側が「4月27日の南北首脳会談で、金正恩は『なぜ日本は拉致問題について直接われわれに言ってこないのか』と文在寅に言ったという。この点についてはどうですか」と質問されると、安倍はこう言った。

「これは見方によってはですね、、、それは、、応じるかもしれない、、そういう分析もできる」

まったく答えになっていない返答しかできなかった。「北京の大使館を使ってやっている」とは述べたが、金正恩に直接伝える術をもっていないことを明かした。

国交がなくともトランプはポンペオを秘密裏に平壌に派遣した。日本もそれくらいのことは最低でもしないといけない。

先日、テレビ番組で一緒になった日本の元外交官に「北朝鮮に行かれたことはありますか」と訊くと、「いくわけないじゃないですか。そんなことしたらクビですよ」と即答する。

これでは北朝鮮とパイプができるわけもない。私ですら個人で平壌に行っているのである。あらゆるルートを使えば金正恩に接触することは可能なはずだ。

1971年、ニクソン政権の安全保障問題担当補佐官だったヘンリー・キッシンジャーが国交のない北京を極秘に訪れて、米中和解の足がかりをつくったように、メディアの見えないところで秘密裏にコンタクトをとることすらしない安倍外交には落胆させられるだけである。

彼には本気で拉致問題を解決しようという気がないことの証左である。(敬称略)