トランプ人気が急加速、悪役クルーズ登場が契機に

米大統領選は大手メディアに煽られているーー。

オハイオ州クリーブランドで開かれていた共和党全国大会を取材し終えて抱いた思いである。いきない著者の思いから入って恐縮だが、現地で見聞きしたこととメディアで報道されている内容の違いが目にとまったので報告したい。

党大会前、ドナルド・トランプ候補(以下トランプ)の支持率は不支持率よりもかるかに低く、党内がまとまらずに分裂する危険性もあるとの見方があった。

なにしろトランプは共和党の重鎮から嫌われていた(トランプ人気が急加速、悪役クルーズ登場が契機に)。

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党大会の会場外でプラカードを掲げる反トランプ派

アゴがはずれます

米オハイオ州から帰国しましたが、アメリカの「最強の一撃」と呼べる写真を載せます。

 

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クリーブランドで地元の人に名物料理を訊くと、「スライマンズ(Slyman’s)でしょう」というのでさっそく行ってきました。

コーンビーフ・サンドイッチの専門店です。14ドル。実はアメリカにはこの手のサンドイッチのお店は少なくないですが、オハイオ州ではもっとも豪快なサンドイッチを出す店らしいです。

実は上の写真は片側だけなのです。14ドルで提供される分量は下の写真を観ていただければお分かりになる通り、上の倍の量があります。

眼の前に来て「ヤッター」と思いましたが、完食できるか不安でした。

半分は持ち帰ろうと思って食べ始めましたが、コーンビーフ自体ホットで柔らかいので、消えました・・・。

 

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トランプ党の誕生?

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(私が座っていた場所からの1枚。外国人記者は上の方・・・)

ドナルド・トランプはマキャベリストなのかー。

米オハイオ州の党大会で正式に共和党の代表候補になったトランプ。同党が18日に公表した党綱領(マニュフェスト)を読み込むと、トランプという人物が「目的を達成するためには手段を選ばない」マキャベリストではないかとの思いを抱く。

どういうことなのか。

全58頁の綱領を精読すると、トランプが選挙戦で繰り返しのべてきた公約がほとんど詳述されていないのだ(トランプが現実路線に 党綱領には受けの良い斬新政策なし)。

4年ごとのデジャブ・・・

いつかどこかで体験したことが再び眼の前に現れる ー デジャブ。

オハイオ州クリーブランドで開催中の共和党全国大会は、これまで何度も足を運んだ党大会に舞い戻った気にさせられる。

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最初に取材した1992年のニューヨークでの民主党大会も、オバマが演説をして注目された2004年のボストンの大会も、そして今年の共和党大会も「顔つき」が似ているのだ。場内で着席して眼をとじると、過去の党大会が蘇る。

2万人規模の人員を収容できる会場には特設ステージが作られ、全米から集まった代議員が州ごとに座り、次から次に現れるゲストスピーカーたちが演説を行う光景は過去何十年も変わらない。

多くの参加者は政治家が演説をしている最中でも歩き回り、しゃべり続け、喧騒のなかで大会は進行していく。時おりミュージシャンによるライブ演奏もある。4年ごとの祭りである。

その中でさまざまなニュースが浮上する。初日(18日)はトランプ夫人のメラニアが演説をし、演説内容の一部が08年のミシェル・オバマの演説からの盗用であるとの疑いが浮上した。

翌日会場にいって参加者と話をすると「間違いないでしょう」と述べる。しかしトランプの選挙対策本部は盗用を認めない。

<まあまあ、いいじゃないですか。もっと党大会の大事なところに眼を向けましょうよ>

やり過ごす気でいるのだ。どこかの知事に似ている。トランプ陣営は危機管理ができていないので、明らかなマイナス点だ。

危機を脱するためにはトランプ陣営がミシェルの演説内容を使用した事実を認めて、謝罪するしかない。

どこの世界でも、過ちを認めないと事後処理が大変になるだけでなく、不誠実さだけが目立つ結果になる。本人たちはやり過ごせると思っても、ほとんどの傍観者は真実を見抜くので、素直に認めるのがベストの策であることを、そろそろ分からなくてはいけない。(敬称略)