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ヒラリー・クリントン前国務長官(以下ヒラリー)が4月12日(米時間)、2016年大統領選挙に正式に出馬表明した。

著名な投資家ウォーレン・バフェット氏は14年10月の講演会で「ヒラリーが勝つよ。賭けてもいい」と述べたが、2016年11月の投票日までは1年半以上もある。

本当に勝つかどうかはわからないが、カネ(選挙資金)という観点ではバフェット氏の予想が当たるようにも思える(史上空前、3000億円の選挙資金を集めるヒラリー )。

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Photo Courtesy of the Gloss

米国人の今や10人に1人は抗うつ剤を服用している―。

服用者3000万人という数字を、医学誌『プリベンション(予防)』もニューヨーク・タイムズ紙も取り上げており、あながち誇張ではない(米国の人口は約3億1500万人)。3000万人は1998年の服用者の約4倍にあたる。

米国は「うつ病大国」と言って差し支えないようにも思える。米国にはうつ病を抱える人がこれほど多いのだろうか。しかも40代、50代に限定すると、4人に1人は抗うつ剤を飲んでいるという米国人にとって抗うつ剤はキャンディも同然?)。

ヒラリーがくる!

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Photo courtesy of Politico

いよいよヒラリー・クリントンが2016年の大統領選に出馬する。間違いなく出てくる。しかも2週間以内だ。

昨年末からヒラリーの出馬は噂されていたが、彼女の政治動向をみれば99%といえるほどの確率で出てくる。

ヒラリーの選挙戦を手伝うスタッフの顔ぶれはプロ中のプロである。しかもオバマに仕えていたホワイトハウスの補佐官たちもいて、すでに職を辞している。08年の予備選でオバマに負けた失敗は繰り返さない構えだ。

ヒラリーはすでにニューヨーク市ブルックリン区にあるピエールポント・プラザというビルに選挙本部を置くことをきめ、スタッフが事務所の契約書にサインもしている。

私はいちおうアメリカ大統領選を「ライフワーク」と言っているので興奮してしまうが、「エッ、またヒラリーが出るの?」と思われる方も多いだろう。

彼女が次期大統領になるかどうか、、、それを今後記していけたらと思っている。(敬称略)

過去を美化する

先日、若い女性と話をしていたとき、私がジャーナリストとして独立したときのことに話がおよんだ。

いまから25年も前のことである。

それまで勤めていたアメリカの会社を辞めて、会計上、小さな会社を起ち上げた。人に使われることがイヤだったこともある。「会社員は自分には合わない」との思いも強かったので、当然のなり行きであると思っていた。

希望を抱いて、といっても過言ではない心情だった。少なくとも、記憶の中ではそうだった―。

昨晩、当時の日記をとりだして25年前の記述を眺めた。希望に満ちあふれた思いはほんのわずかで、心のなかは焦燥、不安、憂心、怖気でいっぱいだった。

1990年7月12日の日記にはこうある。

「、、、どこから湧き上がってくるのかわからぬ焦りが口の中から入り込み、いまは胃壁に根をはっている。すべては自分の活動いかんである。何をやるにしても、もう人のせいにはできない。社会のせいにもできない、、、」

喜びいさんで独立したというのは自身が美化した過去の記憶であって、当時は不安で押しつぶされそうになりながらの日々が続いていたのだ。

日記を読み進めるうちに、当時の記憶が少しずつよみがえる。安定した収入を絶ち、年金や健康保険も自分で面倒をみなくてはいけない。有給休暇もない。薄暗いトンネルのなかを感覚だけで突き進むような恐怖がつねにあった。

それでも、いま振り返ると思い切って独立したことは私にとってはいい決断だった。

幸いにも、25年間も文筆業をつづけてこられたのは編集者や友人にささえられてきたからだ。あらためて感謝するしかない。