国家のウソ

ほとんどの人は長い人生の中で、ウソをつく。それが人間の性(さが)と言っていいかもしれない。

国家もまた同じである。民主主義国家であっても、すべてを国民にさらしたりしない。言い方を変えたり、数字をいじったり、あるいは故意に事実と反することを発表したりする。つまりはウソである。

ただ中国は極端である。経済成長率(GDP)の数値が好例だ。経済学者だけでなく、多くの人が「おかしい」と述べている。

過去1年間の数値を記してみたい。

2014年7~9月GDP(前年比)   +7.3%
2014年4~6月GDP(前年比)   +7.5%
2014年1~3月GDP(前年比)    +7.4%
2013年10~12月GDP(前年比)+7.7%

見事に7%台で推移している。経済成長がこれほど安定して持続することはあり得ない。ちなみに日本は以下の通りである。

2014年7~9月GDP(前年比年率)     -1.6%
2014年4~6月GDP(前年比年率)     -6.8%
2014年1~3月GDP(前年比年率)     +5.9%
2013年10~12月GDP(前年比 年率)+1.0%

数値はジグザグに推移している。マクロの経済活動を考慮すると、極めて真っ当な変化であると思われる。アメリカやイギリスも過去1年、プラスとマイナスが入り乱れている。中国経済のように数値が7%で安定するなどということはほとんど考えられない。

いくら好況が続いているとはいえ、「こうあってほしい」という希望的数値であってはいけないことは誰の眼にもあきらかだ。もちろん日本を含めた先進国がまったく間違いのない数字を公表しているかにも疑問を投げなくてはいけないが、少なくとも中国政府のようなウソではない。

共産党が瓦解する日はくるのだろうか。