夢を抱きつづける

今朝、J-WAVEを聴いていると、三浦雄一郎の次男、豪太が父親について語っていた。

5月、80歳にしてエベレスト登頂を果たしたが、70歳と75歳でも登頂に成功しており、今回が3度目だった。 ラジオを聴いて驚かされたのは、80歳でエベレストに再度登ることにしたのは、なんと2回目にエベレストを登っている最中だったというのだ。

ベースキャンプから次にあがったキャンプ2。「ヨーシ、80歳でも登るぞ!」と一緒に登っていた豪太に宣言したのだという。息子でさえも驚嘆を隠さない。

「まだ登頂する前ですよ。その時に次の夢を語っていたんです」

私も学生時代に精鋭的に山を登っていたので、その気持ちがわからなくもない。難しい山だとか、体力がどうとかいうことではなく、単に「あの山に登りたい」という希求が先にくる。

八ヶ岳を北の蓼科山から南の権現岳まで3日で走破してみようとか、カナダのビクトリア山北峰に挑戦しようといった思いが先にやってくる。行動はその後だ。

実際に行ったのは学生時代だが、夢の実現にむけてエネルギーが湧いてくる。

三浦雄一郎の偉業をすべての人が踏襲することは無理がある。だが誰にも自分らしい夢を抱く自由と権利はある。それは年齢に関係ない。

歳を重ねると、夢を語らなくなる人が増える。いや、語れなくなるのだ。仕事や趣味でもなかなか夢を語らない。

「いい歳をして子どものようなことを言って」という声を気にするからかもしれない。だが周囲を見渡すと、夢を捨ててしまっている人がどれほど多いことか。

あまり人のことを言えたものではないが、私のいまの夢は、、、公表しないでおきます。(敬称略)

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おしん再び

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この人が今月12日に公開される映画版「おしん」の母親ふじを演じている。

「30年前は(泉)ピン子さんがやって、比べられてしまうのでプレッシャーがあった。(依頼を)受けようかどうか迷った。ピン子さんに勝つ自信がなかったけれども、ここねちゃん(おしん役の濱田ここね)を愛したいと思いました。現場で助けてあげたいと思った」

9歳の濱田はオーディションで2500人の中から選ばれた子役だ。2ヵ月におよぶロケに母親はついてこなかった。というより、制作サイドから故意に引き離されたようだ。だから上戸彩がほとんど母親代わりになって助けている。

8日昼、上戸と濱田、そして初代おしんの小林綾子の3人が日本外国特派員協会の会見に現れた。

濱田はマイクを持って、笑顔で記者の質問に答えた。9歳児としては信じられないほど大人の会話についてきている。

「撮影中、自分の親と別れなくてはいけなくて辛かった。しかも監督が厳しい。『お前は何でできないんだ』と言われた。何が悪いのかを言ってくれなかった」

おしんのように耐えて、撮影は終わった。

その日は弾けるような笑みがリンゴのような頬に咲いていた。上戸がそれを静かに見守る。キャピキャピな歌手でありタレントだと思っていた上戸だが、この日は落ち着いたオーラをまとっていた。

もう彼女に可愛いという言葉は当たらない。美麗な女性がそこにいた。(敬称略)

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日米2大作家の死

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過去1週間で山崎豊子とトム・クランシーが亡くなった。

両氏ともに面識はないが、山崎の書いた「運命の人」では取材協力をしたことを思いだす。まだワシントンに住んでいた時のことだ。

当初は山崎本人がワシントンにきて取材する予定だった。だが、体調がすぐれず渡米をキャンセル。文藝春秋の編集者を経由して私のところにきたリクエストは、いささかマニアックと思えるほど細かい情報が求められていた。編集者はそれが山崎の普通の取材なのだと言った。

細部へのこだわりを抜きにして鬼気迫る臨場感は生まれない。それはクランシーも同じだ。

デビュー作の「レッド・オクトーバーを追え」は米海軍の軍事情報、特に潜水艦の記述が細かすぎて、編集者のデボラ・グロブナーは100頁ほどを削らせたという。

明らかに米海軍に情報提供者がいると言われたが、本人は機密情報をつかんでいるわけではないし、マニュアルや公開情報を丹念に調べて書いたと述べた。

ただ、そのこだわりが独自のミリタリー・サスペンスの世界を築かせることになった。1984年の初版で手にしたクランシーの印税は5000ドル。だがその後の作品を含めると全世界で1億冊以上を売っている。2人の作品は、ともに映画化された点でも共通項がある。

山崎は88歳。大往生という年齢だが、クランシーは66歳で、まだまだいい作品が期待できた。

冥福を祈りたい。(敬称略)