おしん再び

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この人が今月12日に公開される映画版「おしん」の母親ふじを演じている。

「30年前は(泉)ピン子さんがやって、比べられてしまうのでプレッシャーがあった。(依頼を)受けようかどうか迷った。ピン子さんに勝つ自信がなかったけれども、ここねちゃん(おしん役の濱田ここね)を愛したいと思いました。現場で助けてあげたいと思った」

9歳の濱田はオーディションで2500人の中から選ばれた子役だ。2ヵ月におよぶロケに母親はついてこなかった。というより、制作サイドから故意に引き離されたようだ。だから上戸彩がほとんど母親代わりになって助けている。

8日昼、上戸と濱田、そして初代おしんの小林綾子の3人が日本外国特派員協会の会見に現れた。

濱田はマイクを持って、笑顔で記者の質問に答えた。9歳児としては信じられないほど大人の会話についてきている。

「撮影中、自分の親と別れなくてはいけなくて辛かった。しかも監督が厳しい。『お前は何でできないんだ』と言われた。何が悪いのかを言ってくれなかった」

おしんのように耐えて、撮影は終わった。

その日は弾けるような笑みがリンゴのような頬に咲いていた。上戸がそれを静かに見守る。キャピキャピな歌手でありタレントだと思っていた上戸だが、この日は落ち着いたオーラをまとっていた。

もう彼女に可愛いという言葉は当たらない。美麗な女性がそこにいた。(敬称略)