三浦雄一郎に国民栄誉賞を!

80歳の冒険家、三浦雄一郎が世界最高峰の頂にたった。これはまさしく偉業以外のなにものでもない。

周囲からの経済的、物理的なサポートがあってのことだが、三浦だからこそこうしたサポートをものにできたのだろう。それも彼の実力の1つである。

それにしても80歳にして、よく登頂したものである。私は高校2年から山に登り始め、大学時代もさまざまな山に行った。カナディアンロッキーにも歩を進めている。精鋭的に登ることに喜びを感じもした。だが最近は1000メートルにも満たない山ですら辞退している惨状である。

三浦は高度にも強いようだ。高度順応のために事前に8000メートル級の山に登っていただろうが、登山経験者でも7000メートル前後で動けなくなってしまう人は少なくない。

以前は高尾山を登るのも辛かったという。以来、日々の鍛錬によって世界トップの山に登ってしまった。野心を持つことの大切さも知るのである。

ただ81歳のネパール人男性ミン・バハドゥール・シェルチャンが今月末の登頂を目指している。三浦の「世界最高齢」という記録は1週間で破られるかもしれない。三浦が75歳に登った時も、シャルチャンが76歳で登頂したため、ギネス記録は彼のものだった。

しかし三浦ほど高齢者にとって励みとなる人はいないので、国民栄誉賞を授与してもいいと思う。(敬称略)

5月のバラ

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東京渋谷区の代々木公園で週末、ジャマイカ・フェスティバルが開かれていた。

過去数年、個人的にジャマイカにかかわりを持っているので雑踏の中にまぎれてレゲエを聴きいていた。ただ人が多すぎて、落ち着けない。

イベント会場の雑然さと対極に位置するように、園内にバラが咲いていた。大輪が心の中に溶け入るようである。

首相のチャンスを逃した橋下

大阪市長橋下の風俗業発言で、彼の野望であろうはずの内閣総理大臣の座は遠のいた。

これまでも本音トークを連発して、政治家としての危うさを感じてはいたが、「(第二次大戦中の)慰安婦制度は必要なのは誰だってわかっている」(13日)という発言で、首相になるチャンスは潰えただろう。地方自治体であっても政治家である。こうした意識の持ち主を行政の長にしておいてはいけない。

13日の発言後、自身のツイッターで 弁明をくりかえしたが、汚点はすでに点から穴ほどの大きさに広がった。アメリカ政府が文句を言ってきたからという問題ではない。

少なくとも弁護士資格をもち、大阪市長という役職にある人間がこの程度の意識にいるという事実に愕然とさせられる。慰安婦問題の総体にも通じるが、軍隊という国家組織が公に売春行為を推奨することに問題の核心がある。

社会の中には、いつの世でもカビの生えたみかんは存在する。強姦事件は世界中であとをたたない。それは法の下で裁けばいい話である。

政府が売春行為をシステムとして先導することの異常さを見出せなければ、この人物に市民をリードしていく資質はない。いや、政治家であってはいけない。

売春は世界でももっとも古い職業などと言われるが、歴史が前へ進むという意味は、政治活動としてこうした制度を改めていくことにある。

たぶん人間の尊厳というのは、そうした地道な行為の連続によって手中にできるのである。

この点で橋下は日本人だけでなく、世界中の市民から政治家として不適格であると認められてしまった。

私の中ではもう終わった政治家という領域にはいるかと思う。(敬称略)