18日、日本外国特派員協会の記者会見に現れた第70代横綱日馬富士。
「僕には家族もいるし、モンゴルという国も背負っている。ここ(日本)で立派に生きることが国への恩返しになる」
そういった後、相撲を辞めて国に帰ることなど選択肢にないという意味で、冒頭のセリフを述べた。
モンゴル人の心意気というより、前に進む以外に道はないという生き方にこの横綱の強さの源泉をみるのである。
それはまた、日馬富士の土俵上でのしきりの仕草にも表れている。まるで腕立て伏せをするように深いしきりをする。角界一深い。
「あれは気合いを入れているのです」
そしてこうもいった。
「本当に相撲協会には感謝しているのです。やらせて頂いているという気持ちです。そして努力はウソをつかない。自分を信じてね、汗と涙で、死ぬ思いで稽古しています」
虚言ははいていないだろう。言葉を選びながら、1時間半の質疑応答に丁寧におうじる姿は外国人記者から好感がもたれた。
「考え方がポジティブだよね」(ドイツ人記者)
そして最後にいった。
「僕はこれから(の横綱)です」
この言葉には気迫が込められていた。日本人も続かないといけない。(敬称略)