なぜ予測が当たったのか

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(再選後、選対委員長のジム・メッシーナと抱き合う。表には出てこないが、メッシーナこそが真の立役者。by the White House)

今年6月、私は当ブログで「オバマの得票率は51%前後になるだろう」と予測した(大統領選、いまだオバマ有利 )。そして10月には「11月6日のオバマの得票率は51. 3%から52.5 %の間くらいだろうか」と記した(これからが勝負だが、、、 )。

日本時間11月8日午後になっても全得票が集計されているわけではないが、最終的なオバマの得票率は51.1%前後になるとウォールストリート・ジャーナルが伝えている。不在者投票や期日前投票の開票にはもう少し時間がかかる。

当選者を当てるだけでなく、数値までなぜ近いものになったのか。実はこの数値をだすことはそれほど難しいことではなかった。

インフレ率や失業率、株価、経済成長率といった経済指標、支持率、選対の組織力、専門家の分析、さらにアメリカの政治学者が作ったいくつもの当選予想モデルを組み合わせると、かなり正確な有権者の投票行動が読めた。学者の当選予想モデルの中には過去30年「ハズレなし」というものもある。

むしろサンプル数1000人の世論調査の方が数字が乱高下する。ちなみに11月6日の投票日直前のギャラップ調査(11月4日)は49%対50%でロムニー勝利、ラスムッセン・リポート(11月5日)も48%49%でロムニー勝利と予測した。

CNNとオピニオン・リサーチの共同調査(11月4日)は49%で引き分け。ABC Newsとワシントンポストの共同調査(11月4日)は50%47%でオバマ勝利とした。これでは主要メディアだけでなく、一般の人が困惑するのも無理はない。

前述したように、万単位の有権者によるオバマへの支持率は51%で過去1年ほとんど変化していない。これはオバマが討論会で失敗しようが、ハリケーン・サンディがこようが動かない。

というのも、有権者の日々の心象を捉えたものではないからだ。

もちろん選挙資金は重要である。各地域の選挙事務所の地道な活動なくして当選はつかめない。だが、大きな潮流は読める。しかもアメリカ国民がオバマに対し、またロムニーに対して基本的にどういった思いでいるかはかなり前から決まっている。

だからわかったような顔で放送メディアや活字メディアで的はずれの解説をする学者諸氏にはウンザリさせられるのだ。

いまの私は予測どおりの結果に落ち着いたことで、むしろ拍子抜けするくらいのつまらなさを感じている。(敬称略)

エッ、オバマ圧勝?!

いちおうアメリカ大統領選挙をこまめに追っているので、連日テレビやラジオ、新聞、雑誌から声をかけて頂いている。

最後に必ず、「堀田さんはどちらが勝つと思いますか」と訊かれる。

「オバマです。ずっとオバマ再選と言ってきています」

何年か前、「外れたら坊主頭になります」と公言したことがあった。私が坊主頭になっても何の意味もないが、余興としては愉快かもしれない。

アメリカのテレビや新聞、ネットニュースを見ると、どこも大接戦だと言う。たしかに直近の支持率をみるとどちらが勝ってもおかしくない。

すでに有権者の98%以上はどちらの候補にするか意を決している。あとは今日の天気とどれだけの人が投票所に足を運ぶかである。

一方で、オバマ圧勝というニュースもある。実は「キッズ投票(Kids Voting)」という子どもたちによる投票が1988年から行われていて、過去6回の大統領選で5回当選者を的中させている。

子ども向けのケーブル局「ニコロデオン」が行っているもので、今年はすでに50万人以上がネット上で投票をすませた。すでにオバマが得票率65%でロムニー(35%)を破って圧勝という結果をだしている。

子どもの感性は意外に鋭い?(敬称略)

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オバマ再選へ!

日本の新聞やテレビのアメリカ大統領選の報道は、アメリカのメディアの受け売りなので内容はそのままである。

世論調査や失業率などの数字が発表されれば、日本も同じように敏感に反応する。失業率が悪化すればそれが有権者の投票行動に作用するかのような扱いだ。

私の予測ではもう「オバマ再選」で今春から動かない。だが研究者や評論家は予測が外れた場合、責任問題に発展するのでどちらが勝つかは口にしない。組織にいる人間は無理もないかもしれない。ただ個人の責任ということでも、明言している人はほとんどいない。

世論調査は大統領選のたびに調査をする組織が増え、今では全米レベルの調査は30ほどの企業や団体が行っている。たしかに世論調査にその時の有権者の声はある程度反映される。しかし「今という瞬間」のバイブレーションが伝わるだけのことが多い。

10月末、24機関の世論調査でオバマ対ロムニーの結果を調べた。ロムニー勝利の結果を示したのは1つだけ。2つが同率。残りの21機関はオバマ勝利を示していた。

長い選挙戦の数日間だけを切り取ると、支持率の変化は5ポイントも動くが、実は中・長期的な支持率の変動に大きな変化がない点に留意しなくてはいけない。

今年3月14日から10月末まで、オバマの勝率は51.4%を中央値として、前後0.5%しか推移していない。何万人ものアメリカ有権者はオバマ勝利を占っているのだ。

自慢のようで申し訳ないが、1992年に大統領予備選の最初から取材をはじめ、以来、当選者予測を外していない。今年の選挙では、オバマ有利という分析をしてきた。昨年、共和党の予備選段階ではロムニーが候補になると述べ、オバマ対ロムニーの戦いでは「オバマ有利」と4月に書いた。(再びオバマ対ロムニー

さらに6月には「オバマ再選」と明記し、得票率は51%前後になると記した(大統領選、いまだオバマ有利 )。そして10月にはオバマ再選という流れは変わらないとした(オバマ再選濃厚 )。

昨日、米主要紙の記者と話をした。彼は「一般投票数ではロムニーが勝ち、選挙人ではオバマが勝つ」と予測した。

私は総得票数でもオバマが勝つと言った。さあ、どういう結果になるか。(敬称略)

ゴジラ出現

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東京日比谷に現れたゴジラ。身長20メートルを超える、、、、「超えない超えない」。

知る人ぞ知る日比谷シャンテ(東宝日比谷ビル)の北側に建つゴジラ像。実際には1メートルにも満たないほど。1995年建立。