なかなか大変なこと

私にとってはかなり大変なことが進行している。

何がかというと大統領選である。昨夏頃から、今年の選挙は現職オバマと共和党ロムニーの戦いになり、たぶんオバマ再選という流れになると書いてきた。

早くから予測することに大きな意味はないが、さまざまな要因からそう導きだせていた。その一つが選挙資金である。現在でも集金総額ではオバマ陣営の方が勝っているが、5月と6月の集金額はロムニーがより多く集めている。

この時期に2ヵ月連続で、現職大統領がライバル候補に集金額で負けるということは異例である。拙著『大統領はカネで買えるか』(角川SSC新書)で戦後67年間の大統領選挙の歴史で、より多くの選挙資金を集めた候補が勝つという現実を示した。

「カネですべてが買える」という考え方は好きではないが、多額のカネで莫大な政治的影響力を手中にできることは疑いようのない事実である。

6月、オバマ陣営(スーパーPACを含まず)は約7500万ドル(約60億円)を集めたのに対し、ロムニー陣営はなんと約1億600万ドル(約84億8000万円)も調達している。

これは何を示しているのか。

テレビやラジオ広告による批判広告の本数が増加し、ロムニー側による攻撃機会が増えるということである。

現時点ではオバマが依然として僅差でリードを保っているが、今後4ヵ月でロムニーがいまのペースでカネ集めを続けると結果はわからない。

11月は接戦である。(敬称略)