大統領選、いまだオバマ有利

しばらくアメリカ大統領選の話題を書かずにいた。

というのも、共和党の代表候補が実質的にロムニーになり、11月6日の戦いがオバマ対ロムニーに決まったので、夏の党大会まで大きな動きがないからだ。

ただ過去1週間で、私はオバマ陣営とロムニー陣営の両方から献金をうながす電子メールを受けとった。オバマ陣営は「5ドルでいいですから献金してください」というお願いだった。

一方のロムニー陣営のメールは「3ドルでいいですから」と切実で、その裏には「このままではオバマに負けてしまいます」という言葉がついているようにさえ思えた。

昨年から、誰が共和党の候補になるのか大手メディアは騒いだが、私は昨年7月にすでに両者の対決になると踏んでいた(オバマ対ロムニー )。選挙資金から選対の組織力、候補のカリスマ性、政策など多面的に選挙を追い、アメリカ国内の息づかいを感じれば、誰が候補になるかは自ずと見えてくる(テレビ効果 )。

現時点で11月の選挙を予想しろと言われれば、「オバマ再選」と書く。ただ僅差だ。オバマの得票率は51%前後になるだろう。

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共和党の人間は最初から反オバマで動かないし、民主党の人間がロムニーに票を入れるわけもないので、無党派層の人たちがどう動くかで決まる。ただロムニーには現職オバマを圧倒するだけの資金力もなければ政界に一大旋風を起こすだけの疾風力もない。

ここまでの集金力はオバマ陣営の約175億円に対し、ロムニー陣営は約80億円。比較にならない。戦後67年、集金力にこれほど差があって現職が負けたことはない。

大統領選の予測分野におけるプロであるイェール大学のレイ・フェア、バージニア大学のラリー・サバト、エモリー大学のアラン・アブラモウィッツといった専門家も現段階ですべてオバマ再選を予測している。

すべて当たってしまうとつまらないが、学究的な当選予想モデルなので意外なほど当たるのである。(敬称略)