またしても生徒会長レベル

今の日本の社会状況で、首相を務めたいと考える政治家の心根には何が潜んでいるのだろうか。

なにがなんでも首相の座に就きたいという個人的野心の実現があるのか、それとも国を真に憂い、自分でなければ建て直すことができないと考えているのか。

残念ながら前者と答えざるを得ない。後者に属する政治家であれば、来週の民主党代表選には出馬しないだろう。

出馬を考えている候補たちは、次の総選挙で民主党が大敗する可能性が高いので総理大臣になるチャンスはしばらくないと判断しているとしか思えない。

代表選に出馬予定の政治家の顔ぶれをみると、首相任期の4年(実際はそれ以上も可)は遠い夢、2年さえもたないと思える政治家しかいない。自らが4年間日本のリーダーを全うできると考える人はいないだろう。つまり4年間という中期的なスパンで、経済政策と外交政策、原発問題を含めた復興の青写真を描けていないのだ。

これでは中学・高校の生徒会長のレベルである。生徒会長の任期も普通1年である。日本の首相がそのレベルでしかないもう一つの理由を農水大臣の鹿野が口にしている。

「出馬を要請する会」から要請依頼をうけ、「本当に重い重い、わたしにとっては要請をいただきましたので、、」と言うのだ。

いみじくも日本という世界第3位の経済大国である。そのリーダーが他人から要請をうけないと出馬をきめられないというのは論外である。これは「謙遜の文化」以前の話である。

自らが手を挙げ、しかも周到な準備を済ませていなくては1億3000万人を引っ張っていけない(リーダーになる準備期間)。

元首相の小泉以来、2年以上努めた総理はいない。日本人は外国人と比較するとかなり羞恥心を抱く国民かと思うが、1年しか務められない首相たちが諸外国に対して強い羞恥心を抱いているようにも思えない。それだけ今の政治家は内向きだということだ。

今の政界を眺めていると、寂しさだけしか去来しない。(敬称略)