企業の統合・分割の真の狙い

企業活動というのは実に面白い。今週だけでも企業統合と分割の両ニュースが世界を騒がせた。

最初は統合ニュースである。4日、日本経済新聞は日立と三菱重工が原子力事業を含むインフラ事業で「統合へ」とスクープした。だが、両社はいまだ最終合意に至っておらず、ウラが取れていないフライング報道だった。特に三菱側が否定したため誤報と言えるが、交渉はまだ途上である。

他方、分割のニュースもあった。日本では大きな報道になっていないが、アメリカ食品大手のクラフト・フーズが4日、北米食品事業とグローバル・スナック事業とを分離し、別会社にすると発表した。こちらはCEOのアイリーン・ローゼンフェルド氏が会見で分社化を明言した。

ここで問題にしたいのは報道の正確性ではない。統合・分割によるシナジー効果(相乗効果)や背景にある企業戦略である。日本の2社の場合、東日本大震災後の日本の産業力復活を狙い、さらに国際競争力を高めることが延長戦上にある。国内ではますます競合他社が限定的な市場を奪い合う環境にあるが、統合によって過当競争を回避して世界市場に力をシフトする意味合いがある。もちろん両社は増収・増益を見込んでいる。

それではクラフト・フーズの分割化にはどういった背景が隠されているのか、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。