ブラッシュアップ、ベイビー!

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「エッ、英語でやらないの?」

6月7日、有楽町の日本外国特派員協会の記者会見に現れた石川遼。英語教材スピードラーニングを使って、英語力はすでに「かなりのモノ」と推察していた。しかも、マスターズはじめアメリカのツアーに数多く参戦し、日常生活だけでなく仕事でも通訳なしでこなせていると思っていた。だが邪推だった。

会見の冒頭、ぎこちない英語で挨拶をしたあと「英語があまりうまくないので」と顔を赤らめ、質疑応答はすべてを通訳に頼った。

「どこまでが本当なのだろうか」と疑ってしまうほど、記者から投げかけられた英語の質問には無反応で、通訳の日本語に耳を傾ける。まるで、「英語はまったく話せないんです」という態度を貫いているようですらあった。

英語で会見をこなすにはかなりの英語力が必要になる。いくら質問内容が専門分野であるゴルフであっても、記者の言っていることをすべて理解するのは容易ではない。私はアメリカに25年もいたので分かって当たり前だが、その難しさは理解しているつもりだ。

スピードラーニングでは限界があることは明らかだろうから、個人的に英会話教師を雇ってマンツーマンで英語力を高めるくらいのことはしていると思っていた。しかしどうやらそうではないらしい。

ただ会見での彼の所作はさまざまなメディアから漏れ伝わるとおり、正道という言葉がふさわしいほどの誠実さに溢れていた。あまりに真っ当なので、こちらが照れてしまうほどだ。

「プレッシャーがかかっていると思ったことは一度もない。皆さんに応援していただいて始めて仕事になるのです。それがプレッシャーになっていたのでは仕事にならない」

すばらしい考えを実践している。ただ英語はもっと鍛えないと。

Brush up on your English!  (敬称略)