トランプ政権1周年

トランプが大統領に就任してから1年がたった。

行政のトップとしての総合点をつけると45点。2日前のTBSの番組で点数をつけてくださいと言われたので45点とした。もちろん印象点であって、冷静に分析した客観的評価ではない。

私ごときがアメリカ大統領の評価をすべきではないかもしれないが、世界のリーダーとしての役割を担うアメリカ大統領としては合格点をつけられない。

人間としての資質、日々の言動、ほとんど無いに等しい政治思想、国際秩序の軽視など、落第点になってしまう。

アメリカ経済が良好な点が唯一のプラス要素。他のプラス面として日米関係の良好さを挙げる人もいるが、単に安倍がこれまでの対米外交と同じように追従型をとっているからに過ぎない。

トランプが日米関係に積極的に動いたということではない。安倍の方から前向きにトランプに近づいたからこその結果であり、いまだに「吉田ドクトリン」に寄りすがっているからに他ならない。

安倍が真に日本の国益を案じるのであれば、独自の外交政策(安全保障政策)を構築しなくてはいけない。戦後73年たってもできていないのは、その気がないだけでなく、新しい領域に入ることへの畏怖でもかと思う。

トランプにとっての今年の最大懸案は2点。ロシア疑惑と北朝鮮だ。

ロシア疑惑はクシュナー、トランプJRの訴追が懸念されており、春先までに2人が起訴されなければトランプに捜査の手がおよぶことはないだろう。

あとは北朝鮮との駆け引きで、今年中にアメリカ対北朝鮮の交戦があるかもしれない。交戦というより、アメリカ側からの一方的な攻撃で「終わり」ということもある。

可能性は昨年より増しているというのが、ワシントンから伝わってくる情報だ。(敬称略)

世界中が呆れるトランプを辞めさせられない理由

ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)は1月20日で就任1年を迎える。目の前にはいくつもの難題が待ち受けている。

北朝鮮問題や中間選挙もあるが、政治生命にかかわる最大の問題は何と言ってもロシア疑惑である。トランプ本人が訴追される可能性が消えていないばかりか、連邦議会での「弾劾」という言葉はいまでも米国で飛び交っている。

筆者は昨年、当欄で何度か「トランプ弾劾」の可能性について記した。ロシア政府による2016年の大統領選介入はすでに確定的であり、トランプ陣営との共謀が疑われている(続きは・・・世界中が呆れるトランプを辞めさせられない理由)。

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1998年12月、連邦下院がクリントン大統領の弾劾法案を成立させた翌日のワシントンポスト紙

オプラ・ウィンフリーを大統領に?

 

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Photo from Pinterest

1980年代からアメリカのテレビ番組の司会者として走り続けてきたオプラ・ウィンフリー。いまはレギュラー番組から退いているが、民主党の次期大統領候補として名前があがっている。

世論調査では「いまトランプと戦えばウィンフリーが勝つ」という数字がでているほどだ(NPR調査50%対38%)。私がアメリカにいた時、どれだけ彼女のトークショーを観たかわからない。

最初はお世辞にもテレビ映りのいい人だと思わず、なぜ彼女が圧倒的と言えるほどの人気を獲得できているのか理解できなかった。ただ何度か観るうちに、歯切れのいいもの言いとまっとうな言説にうなづかされることが多くなった。

26年間も自分の番組をつづけ、世界140カ国で視聴されたことで資産を3000億円超にまでした女性である。できないことは何一つないと思っても不思議ではない。本人はまだ意思表示をしていないが、事実婚のパートナーが「出馬する」と漏らしいてると米メディアは伝える。

だがそれだけで大統領選に出るべきだろうか。人気投票で国家の指導者になれる、いや、選んでしまうことに違和感というより拒否感を抱く。

トランプの選択がまさにそうだったように、政治経験がなく、確固とした政治思想も持たない人間がアメリカという大国をリードしてはいけない。トランプの1年間でアメリカ人は学んだはずである。

フィンフリーが真剣ならば、まず議員か知事を経験すべきである。

個人的にはトランプより何倍も好ましいが、どうか2020年の大統領選には出馬しないでほしい!(敬称略)