来月、新しい本がプレジデント社から出版されます。読んでいただけましたら幸いです。
『なぜアメリカ金融エリートの報酬は下がらないのか ― 肥大する「超格差社会」のカラクリ』
少し長いタイトルですが、アメリカ社会の「歪み」を長年のアメリカ取材で描いた作品です。
そして16日、普天間問題の混迷を下記のサイトに書きました。
来月、新しい本がプレジデント社から出版されます。読んでいただけましたら幸いです。
『なぜアメリカ金融エリートの報酬は下がらないのか ― 肥大する「超格差社会」のカラクリ』
少し長いタイトルですが、アメリカ社会の「歪み」を長年のアメリカ取材で描いた作品です。
そして16日、普天間問題の混迷を下記のサイトに書きました。
4月12日午後1時半過ぎ、財務大臣の菅直人が日本外国特派員協会の記者会見に現れた。冒頭、
「(政治的に)難しい時期なので、本当はここには来たくなかった」
と本音を漏らした。
大臣という要職にあれば、誰もが発言には細心の注意をはらう。そのため目新しいことは口にせず、会見としては退屈な内容だった。
「この内容では記事にならない」(イギリス人記者)
「新しいことを期待したが、あてが外れた」(アメリカ人記者)
同席した仲間の反応も散々だ。
無理もない。6月に発表する新成長戦略の内容はまだ煮詰まっておらず、この時期に消費税、法人税、所得税についての詳細を述べるわけにもいかない。逆に基本的な財政政策は専門家であれば誰しもが知る。
「国債発行残高がGDPの180%で、経済成長を遂げながら赤字をどうやって減らすのかを議論してなくてはいけない」
そんなことは民主党政権が誕生する前からわかっている。本来であれば、昨年中に答えが出ていなくはいけなかった。普天間問題についても「担当大臣ではないから」と口をつぐんだ。
与党の側に身を置くと、なぜ政治家はみな同じ性向を帯びてしまうのだろうか。(敬称略)
タイトルだけを読まれると、何のことかと思われるだろう。
日本の大手メディアがほとんど報道していないニュースなので致し方ない。
イスラエル政府は7日から、全国民に対してガスマスクの配布を始めた。国民全員に行きわたるように800万個を用意し、2013年までに配布を終わらせるという。これはもちろんイランからの生物・化学兵器の攻撃に備えてのことである。
実は、イスラエル政府は1月5日にガスマスクの配布を決めていた。すでにテルアビブ市民などには配っていたが、いよいよ国民全員への支給を始めたのだ。日本人からするとただ事ではないが、イスラエルでは20年前の湾岸戦争時にもあったことで、日本人ほど驚いていない。
オバマ政権が7日発表した「核体制の見直し」(全49頁)には、イランと北朝鮮への核攻撃オプションも含まれており、アメリカとその盟友がイランをジワジワと追い詰めている現実がある。ガスマスク配布というのは社会に浮上した因果関係の一つに過ぎない。
私はオバマが昨年4月に宣言した核兵器廃棄という考えを全面的に支持している。しかし、アメリカには今回の「核体制の見直し」を手ぬるいとし、核兵器の全廃に反対する者も少なくない。
ピューリッツァー賞を受賞したコラムニストのマイケル・グッドウィルはその一人だ。ニューヨーク・ポストで書いている。
「核兵器を廃棄するという考えは右寄り左寄りといった政治哲学の問題ではない。アメリカ社会の健全さを脅かす子供じみた空想にすぎない」
もちろん彼の考えは、核兵器のある強いアメリカこそが世界の平和を死守できるというものだ。けれども、オバマらしさというのは理想主義の追求であり、それをを少しずつ現実の世界へ引き入れていくところに彼の政治的価値がある。そこが失せたらオバマではなくなる。
イランに対する核兵器使用のオプションというシグナルは、イラン人にとってもイスラエル人にとっても脅威であるが、私は「核体制の見直し」の結びにあった次の言葉に思いを託す。
「2010年版の核体制見直しの特徴というのは、全世界から核兵器を全廃するという究極的な目標にむけて活動することです。そればかりか、世界中で核不拡散体制を強化し、テロリストに核兵器や核燃料を入手させない手だてを図り、国際的な安全保障体制を強化していくことです」
イスラエルのガスマスクが無用の長物でおわることを祈りたい。(敬称略)