米中対立:中国の切り札はレアアース、慌てる米国防総省

2021年のクリスマス直前、中国は世界戦略の一環と目される新しい事業を公表した。レアアースの採掘分野でビジネスを展開している大手企業3社の合併である。

世界的にも大手といえるレアアース3社が統合されることで、アジアにおける中国の同分野での優位性がさらに高まることになる。今回の統合によって中国はレアアース市場での独占を目指しているとの指摘もある。それにより、企業規模と競争力の観点から、同企業は「空母」に匹敵するとの比喩が使われてさえいる。

そもそもレアアースの現状はどうなっているのか。レアアースは標準的なスマートフォンから最先端の軍事機器に至るまで、ほぼすべての電子機器に不可欠な金属である。ユウロピウムやネジウムといった計17種類の希土類元素を指し、総称がレアアースだ。

文献によって数字は異なるが、中国が世界のレアアース供給量の約8割を占めているとの見立てもあれば、米政府内の科学研究機関である米地質研究所(USGS)は、世界の生産量の58%が中国であるとしている(続きは・・・米中対立:中国の切り札はレアアース、慌てる米国防総省)。

世界とデカップリングする中国

米中両国の間でしばらく前から「デカップリング(分断)」すべきなのか、それとも「カップリング(結合)」しておくべきかとの議論が交わされている。

これは端的に述べれば、中国との関係を緊密にしておくべきか否かということで、大きな政治・経済決断が必要となる。両国間には貿易問題だけでなく、地政学的問題、さらには人権問題や環境問題なども加わり、以前よりも不確実性が高まっている。

中国は経済活動におけるナショナリズムが以前よりも強固になっているとの見方があり、米国内には中国への関心を相対的に低下させるべきとの声もある。

中国とのデカップリングを最初に説き始めたのは、ドナルド・トランプ政権時代の主席戦略官だったスティーブ・バノン氏で、2018年に同氏は「米国は中国をデカップリングすべきだ」と主張したことが始まりと言われている(続きは・・・世界とデカップリングする中国)。

中国の海洋進出:防波堤として期待されるフィリピン

「フィリピンが対中政策のカギになり得る」

米国のある研究者と話をしている時にでてきた発言である。東アジアの安全保障状況はいま、米中という対立軸の中で緊迫度が高まっている。

中国が虎視眈眈と狙いを定める台湾をはじめ、拡張主義的な動きは東アジアだけでなく、東南アジア諸国にも及んでいる。その中でフィリピンの存在は大きいと同研究者は述べる。

歴史を振り返ると、1980年代に米国のロナルド・レーガン大統領はフェルディナンド・マルコス大統領をうまく利用していた。冷戦時代、共産主義勢力の世界的な拡大に対抗するため、米国はマルコス大統領が独裁者であることを十分に認識していながら支援し続けた。

フィリピンが共産国になるくらいなら、米国との関係を維持できる独裁国のままでいいという判断である(続きは・・・中国の海洋進出:防波堤として期待されるフィリピン)。

新形コロナから人類を守るために不可欠な「剖検」とは何か

日本国内の新型コロナウイルスの新規感染者数が8月末から減少を続けている。8月中旬には2万人を超える日もあったが、最近は200人前後で落ち着いている。 ただ11月に入り、東京や大阪などでは感染者数が再び増加に転じており、第6波の到来が危惧されている。

世界に目を転じても、新規感染者数はこのところ上昇傾向が続いている。10月中旬、全世界の新規感染者は30万人前後だったが、最近は再び50万人台に乗っている。

すでにウイルスが特定され。感染経路も判明しているが、「撲滅」という言葉を使うまでにはまだ月日がかかりそうだ。というのも、コロナについてはまだ判明していないことが多いためで、ウイルスの患者への影響などを含めて、いまだにすべてが解明されているわけではない。

例えば、コロナに感染した人のおよそ10人に1人は、世界保健機関(WHO)が「ポストコロナ状態」と呼ぶ症状を経験しており、同症状が数カ月間続くことがある(続きは・・・新形コロナから人類を守るために不可欠な「剖検」とは何か)。

次に月面に立つのは男か女か: 米国で始まった女宇宙飛行士時代

2021年6月、米航空宇宙局(NASA)に勤務する女性のもとに1本の電話が入った。かけてきたのは退任したばかりのNASAのジム・ブライデンスティーン前長官だった。

電話を受けたのはキャシー・リーダーズ氏。同局で1992年からスペースシャトルの制御システムや国際宇宙ステーション関連の仕事に従事してきた幹部職員だ。電話の内容は有人宇宙飛行部門のトップに就くようにとの打診だった。

ブライデンスティーン前長官は今後20年間のNASAの将来を見据えて、有人探査ミッションの部局を2分割し、リーダーズ氏にその一つを任せるつもりでいた。

近年になって米国では宇宙への関心が再び高まり、月への帰還ミッションや火星有人探査といったプログラムに大きな期待がかけられている(続きは・・・次に月面に立つのは男か女か、米国で始まった女宇宙飛行士時代)。