ロシア疑惑(20):現地報告

今回アメリカに来たのは大統領選の取材もあるが、トランプがどれほど市民に支持されいているかを探ることも目的にある。

3月下旬にマラー報告書の全文が公開されたあと、司法省はトランプを「起訴しない」立場を表明し、ロシア疑惑はこれで終わりかと思っていた。ところが、トランプ弾劾の動きは収まるどころか徐々に弾劾へと流れを強めているかに見える。

トランプは逃げ続けているが、連邦下院司法委員会が弾劾手続きを始めるようだ。同委員会に所属する議員の半数以上が弾劾に賛成だからだ。3カ月前に下院議長のペロシが弾劾を支持しないと発言したが、優柔不断な彼女のことだから、司法委員長に説き伏せられれば「そうしましょう」といって態度を翻す可能性は十分にある。

今日、連邦議会に出向いて何人かと話をすると、「まだわからないが、弾劾の方向にいく可能性が高い」というのが大方の見方だった。

「ニクソンの二の舞ということもありうる」。民主党側の人間からはそんな勢いを感じた。(敬称略)

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5日午前中の上院外交委員会。ホワイトシャツがミット・ロムニーで、左に座っているのがテッド・クルーズ。2人ともかつての大統領選候補で、いまも上院議員をやっている。