予想どおりのTPP復活

トランプがTPPへの参加をほのめかした。

CNBCテレビとのインタビューで先週、「TPPの枠組みはひどいものだ。もし(納得できるだけの)いい内容になれば、参加には前向きだ」と述べたのだ。

ほぼ1年前、TPPから永久離脱すると宣言したトランプ。離脱は大統領選の公約でもあったので、政権発足後すぐに大統領覚書(大統領令ではない)に著名して、TPPから離脱した。

しかし過去1年で、私はテレビとラジオで3回、「トランプはTPPに戻ってくる可能性がある」と話した。それはいくつかのヒントがあったからだ。

産業政策としてトランプは保護主義を掲げているが、もともと自由貿易主義者であった点。以前、本人が自由貿易論者であるというのを聞いている。

もう1つは選挙期間中、保護主義を主張した方が有権者への説得力があった点だ。労働者を擁護し、国内に雇用を生みだすと言った方が得策である。実はバラック・オバマもまったく同じだった。

オバマは2008年の選挙中、NAFTA(北米自由貿易協定)のような多国間の協定には反対の立場をとっていた。政権発足後も同じ姿勢で、TPPにも反対していたが2009年12月に賛成へとシフトする。

トランプも同じ軌跡をたどるように思える。

保護主義によって守れる産業分野もあるが、マイナス面も大きく、究極的には自由にモノやサービスがやりとりできる方が得ということである。

優柔不断のトランプであれば、TPP参加とパリ協定への復活は十分にあり得る。(敬称略)