今度はどうなる?

いろいろな方に「トランプはこれからどうなるんですか」と訊かれる。

私はヒトコト、フタコトで返事をせずに、なるべく時間を割いて丁寧に答えるようにしている。それが私の役割なのだろうと思っている。おカネをもらって話をするだけがジャーナリストの仕事ではない。

トランプの今後は依然として50%のチャンスで弾劾裁判にかけられるというのが過去数カ月間の私の見立てである。

元FBI長官だったロバート・ムラーが特別検察官に任命されて、昨年の大統領選でトランプ(陣営)とロシア政府が共謀していたかの捜査は始まったばかりだ。

捜査の期限は決められていない。報告書は出されるだろうが、この日までに捜査結果をだすという日取りは決められていない。今後1年以上を要するかもしれない。

ニクソンのウォーターゲート事件の時は、アーチボールド・コックスという独立検察官が任命された。1973年5月19日のことである。ニクソンが辞任したのが74年の8月8日なので、1年以上の歳月がたっていた。

実はワシントンポスト紙が盗聴事件を報じたのは72年6月18日で、そこからニクソンが大統領を追われるまでに2年以上もたっている。

ムラーはいまメディアとの接触を避けている。水面下で人を動かし、証拠を集め、ロシア政府の選挙介入をあらゆる方角から明らかにしようとしている。

いまはただムラーの報告を待つしかない。(敬称略)