放映が延期になっていた満屋裕明(みつや ひろあき)氏のドキュメンタリー番組が、NHK総合で午後10時から始まります(Dr.MITSUYA 世界初のエイズ治療薬を発見した男)。
今年のノーベル賞でも名前は呼ばれませんでしたが、1週間ほど前、ある大手新聞社の記者が電話をかけてきました。
「満屋先生がノーベル賞をとったら話をきかせてください」
「私でよければ喜んで」と答えて、5日の医学生理学賞の発表を待っていました。
日本時間午後6時過ぎ、仕事場で原稿をかいているとスマホが震えました。先日の記者からです。声がうわずっています。
「いま発表がありました」
てっきり満屋氏が受賞したものと思い、期待して話の続きを聞いていると、「残念ながら満屋氏は受賞をのがしました」。興奮した声のトーンと内容が一致していませんでした。
たぶん医学生理学賞を受賞した大村教授の関係者に連絡したあと、私のところにかけてきたのでしょう。わざわざ電話をくれたことに礼を述べて、少しだけ残念な気持ちのままスマホを切りました。
大切なのは、研究者の日々の活動がどれだけ人類に寄与するかであって、もちろん賞そのものではありません。満屋氏は誰よりもそれをわかっているはずです。
それでもテレビという媒体が満屋氏の医学研究に光をあててくれたことに感謝しています。