タクシーの中へ(7)

以前から抱いていた疑問がある。タクシーと電車、いったいどちらが早いのかということだ。

「都内なら電車の方が早い」という話をよく聞くが、本当はどうなのか。

先日、仕事場から港区青山1丁目までいく用がありタクシーに乗った。午後2時半過ぎ。銀座の晴海通りから青山のツインタワー近くまで、所要時間は18分。道路は渋滞していたわけではなく、車は比較的スムーズに進んだ。

帰りは地下鉄銀座線に乗った。青山1丁目駅から銀座駅までの所要時間が10分。単純に比較すると地下鉄の方が早い。

だが用事のあった場所から駅まで歩いて4分。ホームで電車を待つ時間が3分。そして乗車時間が10分。銀座駅に着いてから仕事場までの徒歩時間を足すと、地下鉄を使う方が長かった。

これは1例に過ぎない。所用の場所が電車の駅からほとんど歩かず、しかもホームに着いたらすぐに電車に乗れる状況であれば、電車の方が早いかもしれない。

以前、朝の通勤時間帯に自宅から仕事場までタクシーに乗ったことがある。道路は混んでいた。運転手さんに訊くと「朝はいつもこんなもんだよ」。

電車であれば「ドア・ツー・ドア」で25分という時間が、その日は行程の半分ほどで45分もかかってしまった。

結論としては、移動する地域と時間帯によって違うので一概には言えない――という口をアングリさせてしまうくらいつまらなくてすみません的な答えに落ち着いた。

本当にすみません!