あまちゃん人気

NHKの朝ドラ『あまちゃん』の人気がすごい。

私は朝ドラを何十年も観ていなかったが、過去数年は朝8時になるとNHKにチャンネルを合わせるようになった。

『あまちゃん』では主役を演じる能年玲奈だけでなく、脇役たちの個性がたっている。脚本家、宮藤官九郎の業が活きている証拠だろう。

個人的に『あまちゃん』に惹かれる理由は、8月2日の小泉今日子のセリフに代弁されていた。宮藤の考えがそこに凝縮されていたように思う。

ご覧になっていない方は何のことかご理解いただけないだろうが、AKB48の音楽性に対する痛烈な批判がそこにあった。秋元康は「やられた」と思っていることだろう。荒巻太一(古田新太)が演じるプロデューサー役はまさに秋元そのものである。

その小泉のセリフは強烈だった。今の芸能界(AKB他)が失ったものを言葉にしている。まともに歌を歌えない、ダンスもできない、だが人気だけはあるタレントたちへの苦言でもある。

荒巻はレコーディングで、機械を駆使して聴くに堪えるだけの音にする。秋元がやっていることだ。小泉は言った。

 「どこまで器ちっちゃいの。普通にやって普通に売れるもん作んなさいよ」

多くの大人はこの言葉に共感するはずだ。コーラではないが、スカッとした。(敬称略)