ゴルフをしない理由

「堀田さんはゴルフはしないんですか」

よく訊かれる質問である。

「やりません、、、、」

やならい本当の理由は口にしない。というよりも、その理由を告げると質問を投げかけた方を落胆させるか怒らせることになりかねいので言わずにいる。

「ゴルフはしなんですか?」という質問は、パーティーや宴席を含めてそれほど親しい間柄ではない関係の中で発されることが多く、そこで相手を傷つけるような返答はできないので、多くを語らずに「しません」と言うだけにとどめている。

実は小学校高学年から中学にかけて、父親に連れられて練習場に通ってずいぶんクラブを振った。あのままやり続けていたら、と思うことはあるが、今はやらずにいてよかったと思う。

若い人から高齢者まで楽しめ、人気あるスポーツとしてのゴルフそのものに何の異論もない。完璧というものは世の中にまず存在しないが、ゴルフほどそれに近づくことが難しいスポーツもない。それだけに奥行きが深く、やり始めると止められないほどの面白さがあることも知っている。

だが現実的に日本のゴルファーの素性をみると「仕事のつきあいで」とか「ゴルフはやっておいた方がいい」という理由で冠水してしまっている。もちろんスポーツとして純粋に、常に練習して鍛え、厳しくプレーされている方もいる。

けれども、取っかかりの多くは「つきあい」である。仲良くなって仕事を円滑にという考えは財界人には説得力があるだろうが、ジャーナリストとしてはまったくの逆で、糾弾すべき企業人とほどほどに仲のいい関係など築いてしまうと書くこともかけなくなる。

そうした関係を持たないからこそソニーの批判もウォルマートの悪口も書けるし、広告代理店にしろテレビ局や新聞・雑誌の汚点も書くべきときには書くというスタンスでいる。そのためゴルフは「しないというより、してはいけない」スポーツと捉えている。

ゴルフだったらサーフィンの方がずっと面白いかと思う(本音を吐露したので反発は必至?)。