権力にこだわる

先日、オランダ人ジャーナリスト、ウォルフレンに1時間ほどインタビューした。インタビューというより、お話をしたといった方が適切かもしれない。

終わってから、権力欲という、ある特定の人たちにとって魔性と言えるような執着心について考えている。特に大統領候補がもつ権力欲である。

なぜ政治家になり、そしてアメリカのトップを目指すのか。連邦議員や知事では満足できず、アメリカ大統領という事実上世界の頂点に立つ政治家になろうとするのか。

アメリカ社会だけでなく世界を少しでもよくしていこうという心の中からの叫びを携えているからなのか。それとも世界の頂点に立つという快楽の追求からなのだろうか。答えは複合的なものだろうが、前者が建前であるとするなら、トップに駆け上がることへの個人的熱望が本音だろう。

テレビのインタビューやタウンホールミーティングではきれい事を言うが、なんとしても大統領になるというコンクリートの壁を素手で打ち破るくらいの強固な意志がなくては大統領選など続けていられない。

それはある意味で、独裁者が抱く快楽に似ているかもしれない。権力というパワーは「自分の下に世界を置く」ということでもある。

好きなように世界を動かすということに鳥肌がたつくらいの快感をいだけないと、大統領選というイベントには参戦できないはずである。(敬称略)