スリランカ蟹、「もういい」です

                    

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上海ガニの季節である。先週、シンガポールにいる時に、チャイナタウンで上海ガニが食べられるかと思ってマーケットを散策していた。

一見すると上海ガニのようだが、一回り大きい。訊くと「スリランカ蟹」という種類だという。チャイナタウンのマーケットでは小さいもので1匹6ドル(シンガポールドルなので約360円)。大きいもので20ドル(約1200円)。生きている。

ガイドブックに書かれていた通り、多くのレンストランでいくつもの調理法で出されていた。

「一番のおすすめでお願いします」

出てきたのはチリソースに絡められた、オレンジ色で満開といった大ぶりのスリランカ蟹だった。ソースはチリがベースとはいえ、頬をすぼませるほど辛くはない。白米の上にかけて食べると食欲が増す。

ただ蟹の甲羅が手に負えないほど硬く、途中でお手上げ状態になりかけた。ロブスターのハサミをつぶす時に使う器具をつかっても、松葉ガニを食べるときのように肉がプリンと出てくるわけではない。

「もっと食べやすく調理してほしい」と思いはしたが、店の人に言うわけにもいかず、そのまま両手をチリソースまみれにしながら一応食べ終えた。

蟹肉はしまっていて、ほのかに甘みがあり、ホタテ貝を食べているようでもあったが、食べた満足感よりもベトベト感と格闘による疲労感が強く、「もういいや」が本音だった。