新国家主義への道筋

「もしかすると資本主義は機能しないかもしれない」

この仮説を耳にしたのは今春、ハーバード大学経営大学院の教授と会った時のことである。

仮説の段階に過ぎないが、世界の経済・金融情勢を眺めると仮説を十分に実証できるほどの危機感を携えている。話の後半、「資本主義危機論」は教授一人の考えではなく、世界中の政治家や企業家、学者の多くが共有する憂慮であることを知った。

すでに資本主義は機能不全を起こして、世界各地でその症状が出ていると理解して間違いない。しかし学究的な論考が積み重ねられるのはこれからである。
 
そんな時、『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌が9月号で「世界資本主義の危機:どう対処するのか」という特集記事を組んだ。ハーバード・ビジネス・スクールにいる3教授による共著で、内容はまさに私が小さな衝撃を受けた資本主義危機論だった、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

ペイリン参戦せず

前アラスカ州知事のサラ・ペイリンが2012年大統領選に出馬しないことを決めた。支援者への書簡の中で、次のように述べている。

「私が何に仕えているかと言えば、神、家族、国家、これが順番です」

この一文を読んだときに、ペイリンは家族との合意が取りつけられなかったのだと察した(ペイリンの決断 )。共和党内から「出馬するな」という声が強かったことや、共和党の代表候補になれる可能性が低いといった要因も当然あっただろうが、神が最初で2番目に家族、そして国家が3番目という序列を聞いた時、ウソではないと感じた。

神を最初にもってくることはアメリカでは極めて自然だし、家族の同意がなければ踏み出さないという行動規範も、特に共和党の人間としては当たり前のことだろう。これは四半世紀アメリカで暮らして得た思いである。

そのため、「他に理由があるに違いない」との邪推は当たらないかと思う。もちろん、本人と周囲の人間にしか理解できない事情もあるだろう。だが、神という概念と家族はアメリカを考える上では外せない。むしろ基礎と言っていいかもしれない。

すべての事象に裏があるとする斜に構えた見方もあるが、アメリカの本質はキリスト教の理念と切ってもきれないことを改めて思うのである。

出馬が噂されていたニュージャージー州知事のクリス・クリスティーも出馬しないことを決めた。これで共和党レースは前マサチューセッツ州知事ミット・ロムニーとテキサス州知事リック・ペリーとの2強に、元ピザチェーンCEOのハーマン・ケイン、元下院議長ニュート・ギングリッチ、下院議員ミッシェル・バックマン他が続く形となった。(敬称略)

ツイッターの威力

ツイッターやフェイスブックといったSNSの力をこれまでさまざまなメディアで紹介してきた。

私自身、フェイスブックは2009年8月から、ツイッターは10年4月からスタートしたが、最近はたまにしか更新しなくなってしまった。そればかりに気をとられることに恐れおののいたからだ。SNSの威力をさかんに吹聴していたにもかかわらず、である。

けれども、自分の書いたコラムの反応を見て、あらためてSNSの強さを思い知らされている。

コーポレートランドの衝撃   もはや国家は企業を支配できない

先月末の原稿である。それに対してツイッターには10月4日現在、約220本のコメントが寄せられている。フェイスブックへの転送は約330本だ。

http://twitter.com/#!/search/httpJBpress

賛否両論が渦をまく。私の手元から離れたところで多くの方が感想を述べている。これこそが21世紀型のコミュニケーションである。

デザインを軽視する企業のゆく末

アメリカ企業で最近、小さな論争が起きている。それは今をときめかすIT企業のアップルやグーグルで、その発端を見いだすことができる。

両社はIT企業というくくりだけでなく、21世紀型の企業の代表格として成功を収めているが、製品デザインについては両極といえるほど議論が分かれている。通説にはあまり耳を傾けたくないが、次のような論じられ方をしている。

               

       

                          

「アップルはコンピューター技術者がいるデザイン企業だが、グーグルはデザイナーがいるコンピューター企業」

両社にはそれほどの違いがあるという。IT業界のデザイン担当者と話をすると、「グーグルはデザインという点ではまあまあだと思います。アップルはかなりいい線いっていますよ」

という答えが返ってきた。しかも両社のデザインの決定プロセスには大きな違いがあった、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。