こんなことがあってはいけない・・・。
米国の陸軍特殊部隊デルタフォースの兵士たちは日本時間3日、ベネズエラのマドゥロ大統領(以下敬称略)を拘束し、強制的にニューヨークに連行してきた。すでに各種メディアで広く報道されているが、トランプ大統領はベネズエラの攻撃を「成功裏に完遂した」と自画自賛してみせた。
マドゥロがこれまでどれだけの自国民を殺害してきたかは計り知れず、圧政に苦しんできた人たちが大勢いることは確かなことだが、少なくとも外国人であるトランプが指揮をとって一国の大統領を拘束し、国外に連れ出すという行為は国際法上、許されるべきではないだろう。
こうした行為を許している限り、法律というものの存在価値を否定し、社会そのものが成立しなくなる恐れがある。トランプの行為は「国際法のテロ」とさえ言える。もちろん、それだからといってマドゥロが刑罰から逃れられることがあってはいけないし、国際刑事裁判所が正式な手続きを踏んでマドゥロを裁かなくてはいけない。
私は過去40年以上国際政治を見てきているが、こうした際に痛感するのは、国際機関が持つ現実的な政治力の弱さである。すぐに問題を解決できない即時性の欠如もあるし、その脆弱性は関与する人たちの多くが究極的には「他人ごと」という意識を抱いているからなのではないか。
今また国際機関の真の存在意義が問われていると言って差し支えない。


