眼球って縫えるんです(その後)

10月23日に眼の手術をしてから1カ月半が経ちました(眼球って縫えるんです)。

いまは痛みもなくなり、視力も戻り、日常生活に支障はありません。ただ1日中パソコンを使ったり本や資料を読んでいたりすると、眼の奥のほうから「今日はもう止めなさい」という声が聞こえます。

少しだけジンジンするのです。

網膜前膜という珍しい病気になり、眼球に穴をあける手術は今年もっともシュールな出来ごとでした。今思い返しても現実とは思えないような、超現実の世界でした。

術後10日間ほどは痛みがあり、昼間、瞼のうえから保冷剤をあてていることもありました。左目は熟れたプラムのようだったのです。

術後1週間ほどは仕事を控えましたが、翌週にはテレビの仕事が入っていました。カメラは確実に「プラム」を捉えます。

2週間ほどは伊達メガネをかけていましたが、「眼が赤いよ」とテレビを観ていた方に指摘されました。何しろ、いまだに左目の端は赤いのです。

12月4日、定期検診で主治医のM先生に診てもらいました。

「3種類の目薬のうち、2つはもう止めていいです。ネバナックは続けてください」

ネバナックというのは炎症を抑えて、傷の治りを早くする目薬です。過去1カ月半、3種類の目薬を1日に4回さす日が続いたのです。でもいまは1種類を1日に2回だけでよくなりました。

術後、5回にわけて書いた「眼球って縫えるんです」で書かなかったことがあります。それは網膜に穴があいていたことです。

手術中、先生が看護師さんに「レーザー持ってきて」と言ったことを聞き逃しませんでした。何に使うのかといえば、穴をふさぐためだったのです。

そのまま放っておくと、網膜剥離を起こして失明する可能性さえあったと術後に聞かされました。穴があいていたのは、手術中にわかったことでした。

いずれにしても、先生方のお陰で日常生活を取り戻せたことに感謝するしかありません。

いまのところ右目は正常ですが、今後右目が同じ病気にならないことを祈っています。