また鳥肌

パワフルな演説だった―。

民主党の党大会最終日。オバマが登壇して久しぶりに力強いスピーチを行った。日本にいてもケーブルテレビやインターネットで生演説を観られる。

もちろん会場にいた方が臨場感もあって感情も高揚するが、インターネット経由で観ているだけでも腕に鳥肌が立ってしまった。

2004年夏、ボストンで行われた党大会に登場したオバマは当初、シカゴの若手議員というだけで大きな期待をかけられていなかった。しかし話を始めると、スピーチの内容だけでなく話の流れと抑揚、力の入れどころを心得ていてスーッと鳥肌が立ったのを覚えている。

政治家のスピーチで鳥肌が立ったのは1992年のゴア副大統領候補(当時)の演説以来だった。そして先ほどのオバマの演説で3回目。最初の2回は実際に現場にいたが、今回はパソコンの画面に映し出されたオバマの姿を観ながらである。その場にいたら小さなブツブツが全身にできていたかもしれない。

4年前オバマが当選したのは、この巧みな演説の技術に依るところが大きい。国民に自身のビジョンを示すことは政治家の務めだが、それをいかに行動に移し、目に見えるかたちで成果に収めるかがもっとも重要だ。

今日あらためて演説のスゴサをみせつけられたが、政治家の真価が問われるのはその成果である。外交と社会政策では合格点だが、経済では平均点でしかない。

個人的にはあと4年見ていたい大統領である。(敬称略)

p090412ps-06951.jpg

by the White House