米大企業がベンチャーキャピタルに戻ってきた理由

「アメリカの景気は今後どうなりますか」

アメリカと直接ビジネスを行っていない方でも、アメリカ経済の行方は知りたいものである。

眺めるべき経済指標はたくさんあるが、一言で表現すれば「足踏みからようやく半歩前に出ただけ」というのが実情である。第1四半期のGDPは1.9%。アメリカ人にとって家計に響くガソリン代は、全米平均で1ガロン3ドル68セントにまで落ちてきた。

だが失業率は6月、再び9.2%に上昇している。市場に十分な資金が流れて企業が積極的に設備投資を行えばいいが、そうした動きによる活況の姿はまだ遠い。

たとえばバブル期であれば、投資家たちは新進企業にベンチャーキャピタル(VC)として多額の資金を割いて、大きなリターンを期待した。VCへの資金運用は、アメリカの景気を見る上で指標の1つである。

VCの大きな目標は新進企業の株式公開(IPO)で、全米ベンチャーキャピタル協会の調査によると、2010年に集まったVC資金は125億ドル(約1兆円)に過ぎなかったという。この額は03年以来の低さで、「VCは枯渇した」と形容できるくらいだ。だがここにきて、大企業がVCに資金を流入しはじめている、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。