住宅価格高騰の理由

昨日(26日)の日本経済新聞の朝刊8面に、日本の住宅価格がなぜ高騰し続けるのかという記事が載り、興味深く読んだ。

ご存知の方も多いと思うが、私は米国の首都ワシントンに25年も住んでいたので、米国と日本の住宅価格の比較をずっと見てきた。一般論として、日本の住宅の方がはるかに高く、なおかつ狭い。ちなみに、2025年11月の新築マンション(東京23区)の販売価格は平均で1億2420万円(平均66平米)だが、首都ワシントンのマンション(コンドミニアム)の方は平均45万ドル(約6900万円・平均78平米)でほぼ半額である。

日本のマンションが高額なのは、資材や人件費が上がっていると同時に、地価も値上がりしているという理由がある。さらに建築現場の人手不足によって建築戸数が減っていることもある。米国と単純比較はできないが、日本のマンションは米国と比較すると、昔から「狭くて高額」があたり前で、都内ではすでに「億ション」が一般的になっている。

以前は家を買うなら年収の5倍までといわれたが、いまは年収の10倍を超える金額にまで跳ね上がっており、いったいどんな人たちがマンションを購入できるのかと以前から気になっていた。一般的な会社員が自分のサラリーだけで都内に新築マンションを買うことは極めて困難なので、親からの補助や資産の運用が必要になる。

日経の記事にも「新築住宅は高額所得者や共働きで年収が多いパワーカップル、親の支援を受けられる人」と記されており、今後ますます住宅事情は厳しくなっていくと思われる。その対策の一つが空き家の活用で、都内でも空き家は年々増えているので、売却したり貸し出したりすることでリーズナブルな金額で住めるようになるはずだ。新しいアイデアを出して、日本の住宅事情に変革をもたらしてくれる人は現れないだろうか。

夫の小遣い:37.5%は3万円以下

これが日本の家庭の実情なのか?

ファンマーケティング事業を行っているコンサル企業エンファムが今月13日に公表した「夫の小遣い」についての調査結果によると、37.5%の家庭は3万円以下であることがわかった。

夫が自由に使えるお金がない、つまり「小遣いゼロ」の家庭は6.5%で、5000円未満は4%。また5000円から1万円が1.5%だった。割合としては「夫の小遣いの金額を把握していない」が40.5%でもっとも多かったが、数字が明らかになっている家庭でもっとも割合いが高かったのは2万円から3万円の17%。思った以上に低額だったことに多少驚いている。

私はもう68歳で、年金を受け取っている人間なので、あまりどうこう言える立場ではないが、毎月の小遣いが3万円であっても1日に1000円しか使えず、「もっとほしい」が本音だろう。いま都内の喫茶店でコーヒーを飲むと、高いところでは1000円ほどなので、コンビニでコーヒーを買う人が多くなる。

世帯年収が1300万円から1499万円の家庭でも、夫が自由に使えるお金は3万未満と回答した割合が約2割ほどいた。ただ同じ年収層で小遣いが10万円以上と答えた人は16.67%おり、世帯間で開きがあることがわかる。また夫婦間であっても「お金の話はしにくい」と答えた人が多く、各家庭でさまざまな事情があることがわかる。

皆さま、いまの小遣いで満足されていますか?

就職人気企業ランキング

今年もまた大学生が選ぶ就職人気企業のランキングが発表された。選んだのは2027年卒業予定の大学3年生で、人気ナンバーワン企業は8年連続で伊藤忠商事だった。

ランキングの上位にくる企業は売上高、純利益、そして給料もいい企業になるのだが、伊藤忠は純利益と平均年収で商社ランキングのトップ。売上高こそ三菱商事に抜かれているが、安定した業績を維持しており、当然学生を引き寄せる。

ちなみに公表されている伊藤忠の平均年収は 1,805万円で、なかなかの額である。入社後に受け取る初任給は2024年4月時点で大学卒が32万5,000円。民間企業の平均初任給が約22万円なので、10万円もいいことになる。これでは多くの学生が行きたがるのも無理はない。

それだけではない。伊藤忠は大手小売りや多くのアパレルブランドを傘下にもち、他社と違った企業として学生からの信頼も厚い。さらに午後8時以降の残業を原則禁止しており、「朝方勤務」を推奨する企業でもある。ワークライフバランスを重視する学生たちからも高い評価を得ており、「務めるならばここ」という企業に取り上げられている。ランキング2位は味の素、3位東宝、4位任天堂、5位オリエンタルランド、6位大日本印刷、7位集英社、8位JTBグループ、9位Kadokawa、10位Skyとつづいている。

ただ、「本当に自分がやりたい仕事は?」という疑問を投げかけた時に、どれだけの人が商社と答えるだろうか・・・

高齢者の5割以上が「生活苦しい」

人がいくら稼ぎ、いくら貯蓄しているかはいつの時代でも気になることである。当ブログでも何度か書いてきているが、誰がどれほ稼ぎ、どれほど蓄えているかは本質的に関与すべきことではないのだが、メディアに他者の貯蓄額がでてしまうと、どうしても自分と比較してしまう。

私はすでに68歳なので、どうしても高齢者の数字に目がいってしまう。先日、LIMO(くらしとお金の経済メィデア)が発表した65歳以上の家計収支を眺めていると、統計に参加した人の実に55.8%が経済的に「大変苦しい」か「やや苦しい」のカテゴリーに入っており、予想以上に生活が大変であることがわかった。自分の経済状況を「ふつう」と捉えている人は40.1%で、「ややゆとりがある」は3.6%、「大変ゆとりがある」は0.6%に過ぎなかった。

この数字がすべてを表しているとは思わないが、ゆとりがある人の割合がかなり少ないのはいったいどうしたことか。

ただほとんどの高齢世帯で、毎月の平均支出額が年金等で入ってくる金額よりも多いことが多く、毎月2万円台の赤字がでていた。さらに、70歳代の夫婦が保有する貯蓄額の平均値は1923万円だが、中央値は800円で、億万長者が平均値を釣りあげていることがわかる。

毎月2万5000円の赤字が発生している場合、貯蓄額が800万円あったとしても単純計算で26年で使い果たしてしまう。物価の高騰が続けば、それよりも早い時期に貯蓄が底をついてしまう可能性があり、ウカウカしていられないというのが実感である。

「人生、お金がすべてではない」とよく言われるが、やはり「先立つもの」は必要なのである。

「ゆとりがない・・・」

このところ、日本の一般会社員に経済的なゆとりが少なく、「苦しい」という人が少なくない。収入は人によって開きがあるし、経済状況も千差万別だが、厚生労働省が発表した『2024年 国民生活基礎調査』によると、「大変苦しい」「やや苦しい」「普通」「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」という5段階で、「大変苦しい」「やや苦しい」と答えた人が58.9%で6割近くに達していることがわかった。

景気のいい話はいろいろな所から耳に入ってくるが、半数以上の人は仕事をしていても「ゆとりがある」といえるほど裕福な生活をおくれていないことがわかる。ちなみに国税庁が発表した『令和5年分 民間給与実態統計調査』によると、単身世帯の金融資産保有額は平均値が871万円で、中央値が100万円という数字だった。

銀行などの金融機関の口座に871万円があれば「まあまあ」と思われるかもしれないが、これは億万長者の人たちが金額をつりあげているためで、やはり100万円という中央値に着目すべきだろう。不動産があり、株の投資をしている人たちは実際にはそれほど多くないのだ。

ちなみに所得についても100万から200万円、200万円から300万円を手にしている人はそれぞれ全体の14%。300万円から400万円が13%で、合わせて41%の人は400万円以下の年間収入であることがわかる。

「貯金なんかできないよ。何とかしてくれ!」という嘆きは冗談でもなんでもなく、多くの人の本音と言えるだろう。