外見がいかに大事か:高市早苗 vs 野田佳彦 

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(両写真ともにウィキペディアから)

8日に投開票された衆院選は自民党の圧勝という形で幕を閉じた。自民が単独で3分の2を確保し、高市早苗氏(以下・高市)の高い支持率がそのまま選挙結果に現れた。

自民が勝った理由は、高市が唱えた経済財政政策の大転換、安全保障政策の強化、インテリジェンス能力の強化、さらには食料品の消費税2年間ゼロなどの主張が有権者に受け入れされたといわれているが、実は多くの有権者はもっと簡単に二者択一をしていたのではないか。

上の写真をじっくりご覧いただきたい。両写真ともにウィキペディアに出ているものだが、どうみても高市氏の方が爽やかなイメージが漂う。政治家はどういった政策を提出できるかが大切であるが、外見も大変重要で、有権者の中にはそこを判断基準にしている人が少なくない。

特に選挙時は、写真から判断して「この人には入れたくない」と思われることがあるので、写真をベースに判断されることを考慮しなくてはいけない。申し訳ないが、野田佳彦のこの表情を推す人はかなり少数派だろうかと思う。今回、中道改革連合は118議席も議席を減らしてしまった。逆に自民党は総定数465の3分の2を超える316議席を獲得する歴史的な勝利で、明暗を分けることになった。

新党:中道改革連合の誕生

立憲民主党と公明党が新党を結成することで合意し、新党名が「中道改革連合」であると報じられた。略称が「中道」で、政治的には右にも左にも傾かず、熟議を尽くして方向を決めていくという。

高市政権が右傾化しているので、その対立軸として中道勢力を結束させていくらしいが、本当に立憲民主党と公明党が手を組んで、しっくりくるのか疑問である。

個人的には公明党というのは別次元の政党であり、今回の新党誕生で創価学会が新党とまったく関係なくなるとは思えない。報道では、これまで学会丸抱えだった政党が、大衆の政党として次のステージに進んでいくという見方があるようだが、個人的には大きな「?」マークを付けざるを得ない。

今週中に綱領の策定など新党設立の手続きをするという。非核三原則の堅持や選択的夫婦別姓の導入などでは、両党の政策は一致するが、安全保障やエネルギー政策を巡っては違いもある。両党は今後、政策のすりあわせを進めて公約作りを急ぐが、立憲民主党はこれまで安全保障法制の違憲部分の廃止を掲げていたので、これを見直す可能性もでてくるだろう。

公明党の赤羽副代表は、立憲民主党と公明党を合併するのではなく、中道主義に賛同できる議員で新しい党を作ると説明している。立憲民主党の野田代表は、国民民主党や無所属の議員らにも参加を呼びかける考えを明らかにしている。

政界再編という動きはいつの時代にもあったが、いまは政党の数が多く、私も含めて一般の方は全貌を把握できていないのではないか。ネットで政党の数を調べると、公職選挙法、政治資金規正法、そして政党助成法の政党要件をみたした政党が12政党あった。いい機会なので、全12政党を記しておく。

1:自由民主党、2:立憲民主党、3:日本維新の会、4:国民民主党、5:公明党、6:参政党、7:れいわ新撰組、8:日本共産党、9:日本保守党、10:日本社民党、11:チームみらい、12:中道改革連合

私は米国のように2大政党制の方が政策をまとめる上でも国民への理解を促す意味でも有用だと思うのだが、国会議員にはそうした配慮はないようである。

高市首相誕生:世界との比較

高市早苗—。

「女性で最初の首相」ということが強調されているが、それは日本だからであって、世界を見渡すと女性のリーダーは少なくない。

昨日(21日)午後、日本外国特派員協会のワークルームで仕事をしていると、横に座ったドイツ人記者が高市の話を投げてきた。

「女性が首相になるまでに随分時間がかかったけれども、アメリカはまだ女性大統領を選出できてないわけだから、日本が一歩先を行った感がある」

私はそれを受けて、「ドイツのメルケルさんが首相になったのは随分前だったよね」と返すと、彼はすぐに「2005年から16年もやったよ。なんかもう遠い昔という感じがする」と言った。そして、こう続けた。

「『女性首相誕生』ということがニュースにならなくなる日が早くくるといい」

ちなみにインドのインディラ・ガンディーが首相になったのは1966年である。イギリスのマーガレット・サッチャーが首相に就任したのは1979年。フランスのエディット・クレッソン首相は1991年、パキスタンのベーナズィール・ブットー首相は1993年、ウクライナのユーリヤ・ティモシェンコ首相は2007年、といった具合で、大勢いるのである。

日本もいまは「日本初」という言葉がついているが、普通に「今度の首相は女性です」くらいのレベルになるといいのではないか。いずれにしても、重責に押しつぶされずに職務を全うしてほしいと思う。(敬称略)

世界は自民党総裁選をどう見ているか

自民党の総裁選が10月4日に行われるが、日本では連日大きなニュースになっているなか、世界では総裁選をいったいどう見ているのだろうか。

世界のメディアを眺めると、自民党総裁選を扱った報道は意外にも少なく、関心は低い。まだ投票日まで1週間ほどあるので、これから増えてくると思われるが、他国の国内選挙なので、米国大統領選などと比較すると興味の度合いは低くなる。

高市早苗氏(以下敬称略)が選ばれれば女性として最初の首相になることから、一部メディアでは高市にフォーカスさせた記事もある。米外交誌「ザ・ディプロマット(The Diplomat)」は「鉄の女と称される高市早苗は日本で最初の女性首相になるのだろうか」というタイトルの長文記事を掲載。

「彼女が経験豊富な保守派政治家であり、保守派の象徴である故・安倍晋三元首相の直系の後継者であるという事実は大きい」と記したあと、「10年以内に日本経済の規模を倍増させる基本計画を約束した。重要なのは成長だ。日本を再び活力ある日の出ずる国にする」と紹介した。

ただ、実際の選挙では小泉進次郎が優勢であるとし、「党内の保守派を味方につけることで、早い段階で勝利を収めたようだ」と小泉が次期首相になる可能性が高いことを示唆。予測市場を紹介する米メディア「ポリマーケット(Polymarket)」は小泉が71%でトップを走り、高市は26%、林芳正はわずか3%であるので、小泉が勝つだろうと予測。

米ブルームバーグは「小泉は昨年の党首選で、構造改革の加速、スタートアップやライドシェアリングなどの新産業の促進を公約に掲げたが、激しい批判を浴びた」としたあと、「この出来事は政治的未熟さを露呈したとする見方がある一方、自民党が切実に必要とする大胆なリーダーシップの表れだと評価する声もある」として、小泉が次期首相になる可能性を示唆。その通りになれば、104代目の首相になる。

石破退陣

7日夜、石破首相は記者会見を開いて首相を辞任すると表明。昨年10月から首相の座にすわっていたので、ほぼ1年間の総理大臣職だったわけだが、もっと早い段階で辞任すると思っていたので、「意外に長く続いたな」というのが私の正直な感想である。

忌憚なく記せば、総理になった時点から「この冴えない人が日本国の代表であってはいけない」と思っていたので、辞任のニュースは個人的には喜ばしいことである。こう考えているのは私一人だけではないはずである。政治家の外見に文句をつけることは御法度かもしれないが、つねにしかめっ面で、心の底からの笑顔というものを見た記憶がない。それは心が晴れやかでないことを裏付けてもいるかと思う。

ニューヨーク・タイムズ紙は辞任直後の記事で、「自民党は支持基盤の高齢化が進み、若年層や都市部の有権者の意見から乖離してきている」と記したあと、「7月の選挙(参院選)のあと、国の政治を変容させる世代間の亀裂が深刻化した」と核心をつく指摘をした。

さらに英フィナンシャル・タイムズ紙は「自民党は1955年以来、途切れることなく日本を統治してきたが、急激なインフレ、人口減少、悪化する地政学環境といった局面をどう乗り切るかをめぐり、穏健派と保守派が対立することで次第に党内の亀裂が深まっていった」と自民党の弱体化の原因を分析している。

今後日本はどういう方向に進むべきなのか。石破退陣後、 高市早苗前経済安全保障担当相や小泉進次郎農相、林芳正官房長官、小林鷹之元経済安保相、茂木敏充前幹事長 などの名前が挙がっているが、強く推挙したい候補はいない。首相の公選制を求めている私としては「この人物であれば日本を任せられる」という人の登場を待っているが、そう簡単には現れないのである。