トランプ帝国主義

昨年末から、トランプ大統領(以下トランプ)の「グリーンランドを購入したい」という思惑が表面化している。実はトランプがグリーンランドを手に入れたいという構想を表したのは第一期トランプ政権の最中で、長年の夢にようやく光があたり始めたといったところだ。もちろん、簡単に実現できるわけもなく、すべてがトランプの思い通りいくわけではない。

グリーンランドはデンマークの自治領だが、トランプは「戦略上、きわめて重要」と捉えており、なんとしても米国領にしたいとの大願を宿す。弾道ミサイル防衛システムの拠点としての要所であるばかりか、鉱物資源が豊富であることもその理由である。

トランプは先月、「グリーンランドの海岸線を見渡せば、至る所にロシアと中国の船舶がいる。我々はそこを手に入れる必要がある」と述べており、軍事拠点として何としても手に入れておきたい場所なのだ。ただ、すでに他国の自治領になっている土地である。「ここがほしいから譲ってください」と言って自分のモノにできるほど国際関係は単純ではない。それでは子どもの駄々と変わらない。

外交には強引さが必要になる時もあるが、デンマークだけでなく欧州のほとんどの国が米国によるグリーンランド併合に反対している状況で、強引に我欲を押しとおすことで米国が今後、どれほど嫌われることになるか。これでは19世紀後半から20世紀初頭にみられた帝国主義と何ら違いがない。人類は過去の過ちから学んで次につなげなくてはいけない。

「トランプ帝国主義」にはノーを突きつけろ!

トランプ支持率、30%代に

トランプ大統領が昨年11月の大統領選挙で返り咲いてから1年が過ぎた。ただ「トランプ圧勝」というわけではなく、選挙直前のトランプ氏と民主党カマラ・ハリス候補の支持率は47%対45%で、若干トランプ氏が上回ったに過ぎなかった。

大統領就任後も支持率はジリ貧のままで、今年4月にはCNNの世論調査で41%にまで落ち込んだ。就任100日目の支持率としては、ドワイト・アイゼンハワー大統領以降の大統領の中では最低である。そして今、最新の世論調査では39%にまで下がり、その不人気ぶりがより顕著になってきている。

支持率というのは、調査会社によって数字が少しずつ違うが、NPR/PBS Newsが行った調査では今のトランプ氏の支持率は36%という惨憺たるものである。逆に、これまで最も支持率が良かった大統領は2001年9月の同時多発テロ直後のジョージ・W・ブッシュ氏の91%。

ここまでトランプ氏の支持率が伸び悩む最大の理由は経済で、政権の経済運営に対する支持率は36%にとどまり、大統領本人の支持率と重なる。ただ、支持率がいくら下がろうが、4年間の任期はまっとうできるので、トランプ本人からはそれほど慌てた様子は見受けられない。米国経済が沈滞すると、世界的な足かせになることが多いので、今後トランプ氏には経済への起爆剤を打ち込んでほしいものである。

トランプからの懇願

朝起きてEメールをチェックすると、トランプ大統領からのメール(下段)が上の画像と一緒に届いていた。以前にも当ブログで記したが、私はトランプ氏のメーリングリストに入れてもらっているので、政権が公表するお知らせや法案、さらにトランプ氏の講演予定などが届く。

今日のメールの内容はズバリ「寄付のお願い」だった。すでにホワイトハウスで寝起きするようになって半年になろうとしているが、いまだに「献金してください」という懇願のメールを多くの人に送りつけている。実際にはトランプ氏本人ではなく、同氏を支えるトランプ全国委員会からの依頼(Paid for by Trump National Committee JFC, Inc., P.O. Box 509, Arlington, VA 22216)だが、資金集めは絶え間なく行われている。

下記が送付されてきた文面:

『Patriot, it’s true…I’ve never needed your support more than today.
Here’s the hard truth: We must hit our fundraising goal IMMEDIATELY or all hell could break loose.
Democrats are working overtime to shut down EVERYTHING I’ve done to Make America Great Again for YOU.
They’ve been spending MILLIONS trying to retake Congress in 2026 so they can block EVERY Trump bill, impeach me, and slam the brakes on everything we’ve fought for.
That’s why we must CRUSH our July mid-month goal before midnight tonight.
So dearest supporter』

「愛国者の皆さま、今日ほど皆さんの支援を必要としている日はありません。本当のことです。 私たちはすぐに資金調達の目標を達成しなくてはいけません。
民主党は、私がこれまで「アメリカを再び偉大にする」ためにしてきたことを、ことごとく封じようとしています。
彼らは2026年(中間選挙)で議会を奪還するために数百万ドルを費やしています。私が推し進めるあらゆる法案を阻止し、そして私を弾劾し、すべてのことにブレーキをかけようとしています。
だからこそ、今夜の真夜中までに7月中旬の目標を達成しなければならないのです。
親愛なるサポーターの皆さん」

皆さまはどう思われるだろうか?

トランプ、国家安全保障会議(NSC)を縮小

トランプ大統領(以下トランプ)はいったい何を目指そうというのか。

米時間23日、トランプは外交と安全保障政策の中核といえる国家安全保障会議(NSC)を大幅に縮小すると発表した。NSCという部署はホワイトハウス内にあり、政権内でもイチニを争うほど重要な役割を担っているところで、現在は350人ほどのスタッフがいる。トランプはその人員を150人以下にしようというのだ。いったいどういう意図があるのか。

内部情報によると、米時間23日午後3時45分のスタッフ・ミーティングのあと、NSC職員に解雇通知が出されたという。今週末はメモリアルデーの連休のため、多くのスタッフが職場を離れており、その時に解雇通知を受け取ることになった。

世界情勢はいま、ロシア・ウクライナ戦争からイラン核協議、中国の動向など、米国の意思決定が今後の流れを左右する重要な局面にある。そうした時に、多くのNSC職員が解雇されたことで、今後の外国政策に不安が生じはじめた。さらに政権内にはいま、MAGA(米国第一主義)派と伝統的保守派の抗争が起きており、トランプ政権は一枚岩ではない。

複数の情報を整理すると、今回のリストラの裏にはマルコ・ルビオ国務長官の存在があったようだ。というのも、ルビオ氏は今後、国務省が米国の外交政策立案の中心にあるべきと考えていたからだ。近年、共和・民主両政権下では、外交分野でNSCの権限が肥大化してきており、国務省の機能低下が見られていた。

「国務省はもはやアメリカ外交の中心ではなく、NSCや他の政府機関に取って代わられていた。国務省は変わらなければならない」という指摘があるように、ルビオ氏は、国務省を再び米国の外交政策立案の中心に据えるため、国務省を再編成することを強く望んでいたという。今回その思いが実現したということだろう。それはまたトランプがルビオの指示に従ったということでもある。

トランプからのEメール

朝起きてEメールをチェックすると、トランプ大統領からのメールが入っていた。以前にも当ブログで記したように、私はトランプ政権の第一期目から同氏をフォローしており、先方から情報を送付してもらうためにメルアドを伝えてあるので、よくメールが届く。

今日のメールは:

Do you know what my favorite part of being your President is?(私が大統領になって一番好きなことは何だと思いますか)

It’s not signing Executive Orders – but I do LOVE that part of the job!(大統領令に署名することではないです。この仕事をすることが好きなのです)

The truth is, there’s absolutely NOTHING I love more than traveling across this incredible country, shaking hands with REAL American PATRIOTS like you. I really mean that!(実は、この素晴らしい国を旅して、皆さんのような本物の愛国者の方々と握手することが何よりも好きなのです。本当にそう思います!)

So, how would you like it if I made my next stop in your hometown?(次に私があなたの住む町に立ち寄るというのはいかかがでしょうか)

この文章の後に、「献金してください 。ご献金はトランプ全国委員会の利益になります 」という言葉が続いた。そして10ドルから1000ドルまでのボタンがあり、ネット上で献金ができるようになっている。

選挙中であれば、選挙資金を稼ぐためにどの候補もこうした献金の依頼をネット上で行うが、トランプ氏はすでに大統領である。ホワイトハウスで寝起きする立場にいながら、いまでもこうした献金を懇願してくるのだ。これが米政治の現実と言ってしまえばそれまでだが、偉そうなことを述べていても、「10ドルでいいですから献金してください」というのがトランプ氏の本音である。