広島じゃけん

hiroshima1.31.17

講演で広島にきています。東京駅から午前7時10分発の新幹線に乗り、お昼に講演。

主催者側の組んでくれた予定では、今回も(弾丸スピーカー )だったのですが、東京ー広島の日帰りはさすがにきつい。

しかも講演のあと、夕方までに原稿を仕上げなくていけなかったので1泊することにしました。もちろん、晩御飯は食べます。

やはり「お好み」でしょう・・・ということで、ホテルの人に評判のいいお店を紹介してもらいました。

参りました!それ以上のことは上の写真を観て、察してください。

覇権国下りた米国がもたらす手本なき世界

ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)が就任してから、連日様々な話題が取り上げられているが、重要な話題が抜け落ちている。

米国が「覇権を放棄する」というテーマである。影に隠れた話題であるだけに、テレビも新聞もほとんど報じない。

覇権――。

大国(米国)が地球上の地域や特定国に対し、外交的、軍事的、経済的な優位性を誇って支配的な影響力を及ぼすことだ。第2次世界大戦後、米国は長い間覇権国家として世界で大きな力を誇ってきた。

覇権の是非については賛否両論あるが、米国と日本を含めた西側諸国は、これまで主従関係のような間柄だった。現実の世界は米国の覇権にとって動かされてきたと言っても過言ではない(覇権国下りた米国がもたらす手本なき世界)。

trumpplate1.31.17

売り出されたトランプの自動車プレート

大統領令と覚え書き

いま世間に出回っている誤解がある。ほとんどの新聞・テレビ報道も間違っている。

トランプが大統領に就任してから10数本の大統領令がだされたと報道している。

しかし日本時間29日午後4時現在、実際に出された大統領令は5本に過ぎない。その他は「覚え書き(メモランダム)」というもので、大統領令ではない。

たとえばTPPからの離脱(23日)は覚え書きであって大統領令ではない。一方、メキシコ国境に壁を造る(25日)というのは大統領令である。

これから議会で予算をつける必要があるし、メキシコ政府に喧嘩を売ったわけだから、政治的に収束させなくてはいけないが、大統領令はトップダウンの命令である。

ワシントン特派員がよく違いを理解していないのか・・・

明日の放送メディア出演予定:

・1月30日(月)9:00amから(出演は11:00am頃から)文化放送AMラジオ 『くにまるジャパン』

Media appearance

明日の放送メディア出演予定:

・1月27日(金)7:00amから 東京FM(周波数80.0MHz)『クロノス』

 

アメリカ大統領選が終わり、私の「賞味期限」はもう切れると思っていました。しかし選挙後から2カ月以上たっても、いまだに少し味があるようです。

トランプの経済政策

トランプ政権がスタートした。

トランプは製造業を中心に、雇用を回復させると意気込んでいる。就任後、初めて執務をした23日の朝、製造業界の大手企業CEOを何人もホワイトハウスに集めた。

manufacturing1.27.16

工場を国外ではなく国内に戻して雇用をうみだしてほしいと訴えている。けれども、トランプがやろうとしていう雇用創出策は時代遅れである。

自動車はいまでも製造業の一翼ではあるが、すでに「古いタイプの製造業」の代表格で、工場を米国内にもどしたところで、雇用を大幅に取り戻すほどのインパクトはない。

実はアメリカの製造業の雇用者数は1979年から2015年までに約700万人も減ったが、8割ほどは事業の効率化やオートメ化、生産性向上によってそぎ落とされたものなのである。工場が国外に移転したことで発生した失業は10数パーセントだけなのだ。

しかも家電や繊維といった「古いタイプの製造業」をアメリカはすでに捨てている。化学製品、宇宙工学、ITといった「新しいタイプの製造業」にすでに切り替わっており、高い技術をもった労働者はむしろ不足してさえいる。

さらに製造業の生産高は上昇しつづけていて、トランプが口にするのは置き去りにされた古いタイプの製造業に従事した労働者たちなのだ。

残念ではあるが、彼らが新しい職業訓練を受けたり、自ら新事業を立ち上げるなどしない限り、「古いタイプの製造業」が今後劇的な復活をはたすことはないので、立場は弱いままだ。

トランプはいったいどこまでアメリカの事情を正確に理解しているのだろうか。