日本史嫌い

子どもの頃から日本史が嫌いだった。

小学校の授業で織田信長や豊臣秀吉という名前が登場すると、嫌悪感さえ覚えた。髷(まげ)を結った武士の絵をみると、そっと隠したくなった。どうしてなのか、自分でもわからない。

高校の日本史の授業が特につらかった。1年間、嫌いな日本史だけをやることを考えただけで気分が沈んだ。古代史や現代史はまだよかったが、鎌倉時代あたりから明治時代にかけてが苦痛以外のなにものでもなかった。

もし前世というものがあるとしたら、私は江戸時代に侍に斬り殺された百姓だったのかもしれない。それほど 侍に対する気持ちは暗く、否定的だ。

だからNHKの大河ドラマはほとんど観ない。時代モノと言われる日本の時代小説も読まない。生理的な嫌悪が先にきてしまうからだ。

しかし世界史はどうしたわけか、親しみが沸いた。大学受験時の社会の選択はもちろん世界史である。大学卒業後、アメリカに渡ったのもそうした理由が背景にある。

精神的に何かが欠落しているのかもしれないが、国外のことには普通の人以上に興味がわく。当ブログを読んで頂いてる方は気づかれていると思うが、多くのトピックは国外ネタである。

日本史嫌いを治す薬があれば飲みたいほどだ。

米国で今後、合法的に大麻(マリファナ)が吸えるようになるかもしれない―。

いきなりで恐縮だが、この文章はかなり大ざっぱである。米国の大麻の現状を正確に表していない。

読者の方は大麻と聞くと、「州によっては嗜好品として吸えたのではないか」、「医療目的としてはすでに合法化されていたはず」、「多くの人が昔から気軽に吸っていた」といった疑問をもたれるかもしれない(次期大統領と共に問われる大麻の是非:日経ビジネスオンライン)。

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大麻草 Photo courtesy of Cannabis Culture

平成の野口英世

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エイズは近年、ニュースで取り上げられなくなりました。かつては必ず死ぬ病気でしたが、いまは高血圧や糖尿病のように薬で押さえ込める病気になったからです。

世界で最初の治療薬を発見したのは日本の満屋裕明(みつや ひろあき)という医学者です。エイズウイルスの感染経路が不確かな時に実験室にこもって薬を見つけたのです。私は「平成の野口英世」と呼んでいます。

16年前に出した単行本に加筆・修正して文藝春秋社から文庫として出ます。タイトルはエイズ治療薬を発見した男 満屋裕明 (文春文庫)本屋さんの店頭に並ぶのは9月2日ですが、予約受付中です。648円(税込)。

村上龍氏が推薦文を書いてくれました。そしてNHKが9月25日(金)午後10時から、拙著をベースにしたドキュメンタリー番組を放映します。

売れるかしら?

ここはどこの国でしょうか?

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<ヒント:中東>

<答:トルコ。エーゲ海に面したリゾート地オルデニズ。(注)この写真は友人が送ってくれたもの。あまりに綺麗なので、初めて他の方が撮った写真を当欄に載せます>

タクシーの中へ(7)

以前から抱いていた疑問がある。タクシーと電車、いったいどちらが早いのかということだ。

「都内なら電車の方が早い」という話をよく聞くが、本当はどうなのか。

先日、仕事場から港区青山1丁目までいく用がありタクシーに乗った。午後2時半過ぎ。銀座の晴海通りから青山のツインタワー近くまで、所要時間は18分。道路は渋滞していたわけではなく、車は比較的スムーズに進んだ。

帰りは地下鉄銀座線に乗った。青山1丁目駅から銀座駅までの所要時間が10分。単純に比較すると地下鉄の方が早い。

だが用事のあった場所から駅まで歩いて4分。ホームで電車を待つ時間が3分。そして乗車時間が10分。銀座駅に着いてから仕事場までの徒歩時間を足すと、地下鉄を使う方が長かった。

これは1例に過ぎない。所用の場所が電車の駅からほとんど歩かず、しかもホームに着いたらすぐに電車に乗れる状況であれば、電車の方が早いかもしれない。

以前、朝の通勤時間帯に自宅から仕事場までタクシーに乗ったことがある。道路は混んでいた。運転手さんに訊くと「朝はいつもこんなもんだよ」。

電車であれば「ドア・ツー・ドア」で25分という時間が、その日は行程の半分ほどで45分もかかってしまった。

結論としては、移動する地域と時間帯によって違うので一概には言えない――という口をアングリさせてしまうくらいつまらなくてすみません的な答えに落ち着いた。

本当にすみません!