4年ごとのデジャブ・・・

いつかどこかで体験したことが再び眼の前に現れる ー デジャブ。

オハイオ州クリーブランドで開催中の共和党全国大会は、これまで何度も足を運んだ党大会に舞い戻った気にさせられる。

RNCconvention2016

最初に取材した1992年のニューヨークでの民主党大会も、オバマが演説をして注目された2004年のボストンの大会も、そして今年の共和党大会も「顔つき」が似ているのだ。場内で着席して眼をとじると、過去の党大会が蘇る。

2万人規模の人員を収容できる会場には特設ステージが作られ、全米から集まった代議員が州ごとに座り、次から次に現れるゲストスピーカーたちが演説を行う光景は過去何十年も変わらない。

多くの参加者は政治家が演説をしている最中でも歩き回り、しゃべり続け、喧騒のなかで大会は進行していく。時おりミュージシャンによるライブ演奏もある。4年ごとの祭りである。

その中でさまざまなニュースが浮上する。初日(18日)はトランプ夫人のメラニアが演説をし、演説内容の一部が08年のミシェル・オバマの演説からの盗用であるとの疑いが浮上した。

翌日会場にいって参加者と話をすると「間違いないでしょう」と述べる。しかしトランプの選挙対策本部は盗用を認めない。

<まあまあ、いいじゃないですか。もっと党大会の大事なところに眼を向けましょうよ>

やり過ごす気でいるのだ。どこかの知事に似ている。トランプ陣営は危機管理ができていないので、明らかなマイナス点だ。

危機を脱するためにはトランプ陣営がミシェルの演説内容を使用した事実を認めて、謝罪するしかない。

どこの世界でも、過ちを認めないと事後処理が大変になるだけでなく、不誠実さだけが目立つ結果になる。本人たちはやり過ごせると思っても、ほとんどの傍観者は真実を見抜くので、素直に認めるのがベストの策であることを、そろそろ分からなくてはいけない。(敬称略)

トランプの副大統領候補

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Photo by US Congress

「エッ、誰この人」

ほとんどの読者はそう思われるに違いない。なにしろ、米市民でさえ「マイク・ペンス」という人物を知る人は多くないからだ。

共和党ドナルド・トランプが副大統領候補に選んだマイク・ペンス・インディアナ州知事(57)は、一言で言えば「無難な人」。トランプは自身が過激で、時に暴言を吐く性格であることを熟知しているからこそ、温厚な保守派の政治家を選んだ(<第41回>トランプの副大統領候補 ペンスは無名で無難)。

犯人殺害にロボット投入、一線越えたダラス市警

これからの殺人犯はロボットによって殺害されるのかーー。

米テキサス州ダラスで7日に起きた警察官狙撃事件で、ダラス市警は殺人ロボットを投入して犯人を殺害した。陸軍の元予備役マイカ・ジョンソン(25)は、意図的に白人警察官の殺害を企てて犯行におよんでいた。

なぜ市警はロボットを使って犯人を殺さなければいけなかったのか。米国ではいま、殺人ロボットの使用について、倫理問題が浮上している。

経緯を簡単に説明したい(犯人殺害にロボット投入、一線越えたダラス市警)。

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Photo courtesy of robotconsumer.com

公職選挙法の改正へ

参議院選挙が終わり、今日(14日)は都知事選の公示日。

宇都宮健児が鳥越俊太郎に道を譲ったことで、野党勢力は鳥越で1本化された。ジャーナリストとしてというよりも、人間として信頼できそうな候補だが、知事として適任かと言えば大きな疑問符がつく。

都知事には間違いなく、小国の大統領並の資質と指導力、そしてなによりも行政力が求められる。小池百合子と増田寛也にしても、知事になるための準備期間があまりに短かすぎる。

それは法律の問題である。いまから法改正する時間はないが、近い将来、公職選挙法第5章の「選挙期日」の条項を改正する必要があると考える。

米大統領選は選挙期間が定められていないため長すぎるので、米国と日本の中間として3カ月の選挙期間を設けるというのはいかがだろう。

さらに選挙期間の前に、2カ月の準備期間を設定して選挙対策本部で汗を流す人材の確保や政策を練り込む必要がある。選挙資金も集めなくてはいけない。

先週あたりからメディアに現れた小池、増田、鳥越はどうみても準備不足。というより、舛添要一が辞めてからの時間が短かすぎる。特に鳥越は思いついて手を挙げましたといった風情なので、アップアップしている。

それは資質の問題というよりシステムに欠陥があるからに他ならない。現職の知事が辞職した場合、副知事に5カ月間代行してもらい、5カ月後に投票日を設定する新条項を公職選挙法に加えるべきである。(敬称略)