8月14日午後12時半。有楽町の日本外国特派員協会の記者会見に現れた「ピンポン・シスターズ」。
彼女たちは帰国後4日間、メディアに出ずっぱりでいささか疲れが見えたが、1時間半におよぶ会見で繰り出された質問に一つ一つ丁寧に答え、好印象を残して去っていた。
ロンドン五輪で彼女たちのハイライトはなんと言っても準決勝のシンガポール戦。メンタルな強さと気合いだけで勝てる相手ではなかった。
練り込まれた戦術があったはずだ。それを3人に訊いたが、福原愛はこうかわした。
「シンガポール出身の記者も来ているので、戦術はあったが言わないことにする」
平野は「実際に戦術もちゃんとあった。けれども気持ちでぶつかっていった」と淡々と語る。石川は「10本返されたら11本決めるという気持ち」と、勝った自信が顔に溢れていた。
彼女たちの上にいるのは中国だが、「中国はライバルというより目標。いまは1ゲームを取るのが精一杯。まず距離を縮めていきたい」(福原)と、まだまだ先が長いことを認めた。
それにしても、質問の受け答えと所作はゴルフの石川遼に通ずる純粋さがあった。狙ってできる身のこなしではない。
何千、何万という数のメディア取材を受けてきただろうが、それでも丁寧な対応ができることに、むしろこちらが驚いた今日の会見だった。(敬称略)